とある演劇の大衆役者<エキストラ>
もう、しばらく前ですが、ある映像作品に、エキストラとして出演していました。
エキストラとして参加するには、エキストラ専門の組織に加盟するか、一般の公募で応募するかの方法がある様です。私は後者でした。
私が参加した作品を確認した所、数シーンですが、ハッキリと私が映っている物がありました。なんだか、映像になると、 びっくりですね。
その作品がDVD化されない限り、今からでは私の姿を見る事はできないと思います。
エキストラに参加した体験談をまとめてみたいと思います。
- まとめ撮り
- 演技指導
- 撮影手順
- 業界用語
- エキストラをする動機
それでは、解説して行きます。
1. まとめ撮り
エキストラの撮影がある時は、それに関連するシーンをまとめ撮りします。エキストラを集めるのは、それなりに大変な様で、必要なシーンを一気に撮ってしまうのです。
細切れのシーンを撮りためて、後で編集してストーリーの中に組み込むと言う感じでした。
撮られている時は、どう言う出来上がりになるのか、まったく想像が付きません。出来上がった映像を見て、「はぁ〜、なるほど」と言う感じでした。
2. 演技指導
撮影の時は、エキストラ担当のディレクターが、エキストラに指示を出します。いわゆる、演技指導です。
演技指導と言っても、素人のエキストラにできる演技は限られています。ごく簡単な演技を、以下の内容で指示されます。
- タイミング
- 動作内容
- 動きのある時は、その方向
笑い方、笑うタイミング、ざわつく様子など、結構細かい指導も入ります。
最初はかなり戸惑ったのですが、上記の事に気をつけてちゃんと話を聞けば大丈夫です。難しくありません。
3. 撮影手順
撮影は、次の順序で進みます。
- ドライ
- テスト
- 本番
この流れは、撮影現場毎に違うかも知れません。
ドライは、演技なしで台本を見ての打ち合わせです。エキストラは、この時する事はありません。エキストラ担当のディレクターが確認しているだけです。
テストは、実際の演技入りの通し練習です。実際はテストの前に試しながらの演技があります。
そして、いよいよ本番です。本番の合図のブザーがなって撮影です。
本番の合図が入ると、ものすごく緊張します。
撮影終了後、モニターでチェックします。私は最初は、チェックしている事がわからなかったのですが、役者さん達は慣れているので、本番終了後、すぐにモニターチェックに向かっていました。
4. 業界用語
業界用語として気づいたのは、上記の「ドライ」と、「バミリ」、「白けて」でした。
「バミリ」は、立ち位置を示した舞台上のテープです。「場」を「見る」と言う事らしいです。
「白けて」は、多分編集の時にシーンが切り替わる事を示しているのだと思います。
他、スモークの事を何とかと言っていたのですが、忘れました。
5. エキストラをする動機
エキストラをずっと続けている方とお話しするチャンスがありました。エキストラをする理由は人によって違うそうですが、次の理由があるとの事です。
- 芝居をするのが好き
- 役者になりたい
- 映像作品に出たい
- 出演者に近づきたい
エキストラとして参加する際、役者さんやスタッフの邪魔にならない様に、行動しなければならないと言う注意が必要です。サインを貰ったり、写真を撮ってもらったりと言う事はできません。
当たり前ですが、その場で知った情報は、その作品が公開されるまで公言してはいけません。これは、話し好きの人にとっては辛いでしょう。
エキストラとして参加した作品の、その後の対応として、
- 出演個所を必ずチェック
- 特にチェックはしない
- 出演した事を秘密にする/しない
と、人によって違う様です。
エキストラは、こんな感じで言われた通りの事をしていれば良いだけなので、それ程難しくはありません。でも、役者さん達は違います。
当然台詞がありますし、演技もあります。演技も、その場で指導されてその通りに動くと言うのではなく、自分で考えて来た演技を、現場で多少修正されると言う感じでした。自分の動作は、自分で決めておく必要があるのです。
台詞も暗記していて、台本を見ながら喋ると言う事はありません。本番直前まで、台詞の練習を繰り返されていました。
主役の方は特に大変で、その日のスケジュールを見ると、ほとんど出ずっぱりです。しかも、朝早くから夜遅くまでです。主役を引き受けるのは、本当に大変だと思います。
私が参加したエキストラは、座っているシーンが多かったのですが、それでも疲れました。丸一日拘束されて、指示通りに動くと言うのは大変です。撮影現場の環境も、快適とは言えません。
役者さんは、そう言う環境の中でお仕事を続けられているのですから、その大変さがわかります。
非常に貴重な体験でした。
この記事のタイトルとロゴは、次の作品を参考にしています。私自身は、この作品を見た事が無いのですが、時々似た様なロゴが引っかかるので、気になっていました。
似せたロゴを作るのに、苦労しました。ロゴの作り方をまとめたら、一つの記事になりそうです。
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