横浜楽友協会第36回定期演奏会に行ってきました

文化・芸術,音楽

本日、横浜の桜木町にある、神奈川県立音楽堂で開催された、「横浜楽友協会第36回定期演奏会」に行ってきました。

横浜楽友協会第36回定期演奏会

チラシをスキャンさせていただきました。

開場は13:30でしたが、5分少し前に着いた時には、長蛇の列でした。開場時刻を、若干早めて下さいました。

神奈川県立音楽堂

演奏曲目は、次の2曲です。

  1. 交響的序曲 / J.C. バーンズ
  2. バレエ音楽「白鳥の湖」作品20 ハイライト / P. I. チャイコフスキー

アンコールもありました。

  1. カンタベリー コラール (Canterbury Chorale) / ヤン・ヴァン・テル・ロースト
  2. 星条旗よ永遠なれ (Stars and Stripes Forever) / ジョン・フィリップ・スーザ

それでは、レポートを書いて行きたいと思います。

1. 交響的序曲 / J.C. バーンズ

壮大で、楽しい感じの曲でした。アルトサックスとクラリネットのソロ演奏がすばらしかったです。演奏会の序曲として、すばらしい選曲ではないでしょうか?

2. バレエ音楽「白鳥の湖」作品20 ハイライト / P. I. チャイコフスキー

今回の演奏会のメインは「白鳥の湖」のハイライトを、ストーリーの解説付きで演奏すると言う物です。

「白鳥の湖」と言うと、第2幕の「湖の情景」の主題が有名です。ですが、この部分は「白鳥の湖」のほんの一部です。元々がバレエ音楽のために作られており、全体はめちゃくちゃ長いです。

パンフレットにあらすじが載っていて、司会(語り)がそのあらすじと曲内容を紹介して行くと言う感じでした。その紹介の後、演奏が続くと言うスタイルです。

パンフレットに記載されているあらすじから、更にあらすじを、中二病っぽくまとめると次の様になります。不謹慎で申し訳ありません。また、ストーリーには何パターンかあるらしいので、詳しくは他の文献をお調べ下さい。

第一幕

ジークフリート(王子): みんなで遊んでいるのって、楽しいよね〜。

ジークフリートの母(王妃): ジークフリート、いつまでも遊んでいないで、結婚しなさい。明日の舞踏会で、花嫁を選ぶのよ!

第二幕

ジークフリート: 全くウルセエおふくろだよ。おいみんな、森の湖に白鳥狩りに行こうぜ!

(ナレーション): ジークフリートが森の湖に着いてみると…、なんと言う事でしょう! 白鳥が美しい娘(王女オデット)の姿に変わって行きます。

ジークフリート: なんて美しいんだ…。そうか、君は悪魔に魔法をかけられているんだね。魔法を解くには、誰にも愛を告げていない者からの、本当の愛が必要だって!? よし、わかった! 僕に任せて!

(フクロウに姿を変えた)悪魔: 聞いたぞ、聞いたぞ。そんな事はさせるものか。どうするか、見ておれ!

第三幕

ジークフリート: (各国の王妃の踊りを見ながら)あ〜、つまんね。オデットはまだかな。(黒い衣装を着た、オデットそっくりの娘(実は悪魔の娘のオディール)が現れ)また、逢えたね! 僕は、一生君と添い遂げる!

(ナレーション): ジークフリートは、悪魔にだまされ、オデットではなく、オディールに永遠の愛を誓ってしまったのです。

悪魔: ふっ、ふっ、ふ。ジークフリートめ、まんまと罠にはまり追ったな。

ジークフリート: はっ、はかったな! 悪魔め!

第四幕

ジークフリート: オデット、僕は取り返しのつかない事をしてしまった。

オデット: いいのよ、ジークフリート。私たちはこうして逢えるから。ジークフリート、愛しているわ。

ジークフリート: オデット、僕もだよ。

悪魔: 何を無駄な事をしておる! オデットは、もう人間の姿に戻る事はできないじゃ。

ジークフリート: くそぅ、こうなったのも、全部お前のせいだ!

(ナレーション): ジークフリートは悪魔に立ち向かうものの、生身の人間が、悪魔にかなうはずもないのでした。

ジークフリート: やはり、勝てないか…。悪魔め! 僕はオデットとここから飛び降りる! でも、ただでは死なないぞ! 貴様の魂も道連れにしてやる! たぁっ!

悪魔: 何を馬鹿な事を…。あれっ、ちょ、ちょっと待て、おま…。うわぁ〜…。

(ナレーション): ジークフリートとオデットは死んでしまいましたが、その瞬間、悪魔も滅び去ったのでした。

大体、こんな感じの話だそうです。悪魔に呪いをかけられて、真実の愛だけが呪いを解く事ができるって、どこかで聞いた様な…。あ、「アナ雪」と同じじゃないか?!

と思って、詳しい人に聞いてみたら、この形式の物語は定番なんだそうです。

お遊びはこれくらいにして、演奏会の感想を書きます。

今回の演奏会は、「ハイライト」と言う事で、全曲の中から厳選された物の様です。私は、「白鳥の湖」の全曲がどうなっているのかはわからないのですが、きちんと重要な部分を選び出していると思います。「白鳥の湖」がどう言うバレエ(ストーリー)なのか、理解する事ができました。

「交響的序曲」と「白鳥の湖」とでは、楽団員の席位置が違うので、間に準備時間がありました。その間、指揮の小田野宏之さんへの、「白鳥の湖」の聴き所のトーク・インタビューがありました。

  • 「白鳥の湖」には、終わり方が色々あって、定番が無い
  • 実際のバレエの時は、オーケストラは舞台前のオーケストラピットの中で演奏する
  • バレエは、ストーリーをパントマイム的に体で表現するが、音楽は、ストーリーを音で表現する
  • バレエ音楽には、1. 踊りの動きと音楽が一体になった物、2. ストーリーを表現するサポート的な物、の2種類がある
    1. 難しい。動きと音とを完全に合わせようとすると、音楽的でなくなる場合がある。そのため、演出家と作曲家がきちんと話し合い、それぞれの限界を理解した上で作品を作る必要がある
    2. こちらは、その様な制約が無い分、1. よりは簡単
  • 最近のヨーロッパでは、演出家と音楽家が対等で、1. の様な表現ができる様になって来ている
  • 小野田さんは、実際にバレエ音楽の指揮も経験されているが、バレエの動きと合わせるのに気を使う。今回は演奏に集中できる
  • オーケーストラでは、ストリングスがいるので、管楽器は休む事ができるが、YPS(横浜楽友協会)は、ストリングス部分も管楽器が担当するので、休む間が無い。集中力と体力が勝負

なるほど〜、勉強になります。インタビュワーのトランペットの方は、「今回は演奏に集中できる」「集中力と体力が勝負」と言う話を聞いて、「ハードルを上げないでくださいよ〜」とお話しされていました。トランペットの方、インタビューも上手でしたが、演奏の方も上手でした。素晴らしいです。

実際、演奏の間、楽団員の方はほとんど休む間もなく、演奏を続けていらっしゃいました。約2時間、よくぞ体力が持ったと思います。それに、私がわかる間違いも無かった様ですし(私自身、音楽には詳しくありません)、その集中力にも感心します。すばらしい演奏でした。

「湖の情景」(白鳥の主題)では、オーボエのソロパートがあります。横浜楽友協会でオーボエを担当されているのは、3名いらっしゃいます。その中でも、白鳥とは言いがたい、一見強面(ゴメンナサイ)の男性がソロ演奏をします。これが、また素晴らしい! 奇麗な音です。完璧に、演奏されていました。

ちなみに、オーボエパートでは、もう一人がインテリっぽい男性、もう一人はかわいらしい女性でした。その女性は、パンフレット「non troppo」の「協会徒然草」に寄稿されています。オーボエの方々が、楽しんで取り組んでいる様子が伝わってきました。

「白鳥の湖」は、演奏する方はもちろんですが、聴く方も体力と集中力がいりますね。かなり疲れました。

E.C.1 カンタベリー コラール (Canterbury Chorale) / ヤン・ヴァン・テル・ロースト

初めて聴く曲でした。「白鳥の湖」の余韻を和らげる、良い選曲だと思います。

E.C.2 星条旗よ永遠なれ (Stars and Stripes Forever) / ジョン・フィリップ・スーザ

こちらは、定番のアンコール曲です。いつも、小田野さんが、客席にも指揮(拍手の取り方)を指導してくださります。今回は、今までよりもサービスが良く、完全に振り返って指揮をしてくださいました。例年だと、半身だけの指揮なんです。気持ちよく、拍手で盛り上げられました。実は、このアンコール、定期演奏会で一番楽しみにしている部分でもあるのです。

【過去記事】

Posted by お市のかた