横浜楽友協会の第31回定期演奏会[追記あり]
昨年(横浜楽友協会の第30回定期演奏会)に引き続きです。6月7日(日)、横浜楽友協会の第31回定期演奏会に行ってきました。場所は、神奈川県立音楽堂でした。
演奏された曲目は、次の通りです。
- ロバート ジェイガー/シンフォニア・ノビリッシマ
- オーウェン リード/交響曲「メキシコの祭」
- ルードヴィヒ ファン ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 作品67
横浜楽友協会は、管弦楽(オーケストラ)向けに書かれたクラシック音楽を、吹奏楽の楽器にアレンジ(編曲)し直して演奏すると言う吹奏楽団です。管弦楽で使われるヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスを、吹奏楽で使われるピッコロ、フルート、サックス(ソプラノ、アルト、テナー、バス)、クラリネット、トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなどに置き換えて演奏するのです。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどと、吹奏楽のそれぞれの楽器は、カバーする音域が違います。その差を吸収するように、編曲して演奏しているのです。
吹奏楽で演奏する為には、演奏しやすいキー(調)があるそうなのですが、横浜楽友協会は原調のままで演奏しています。
このアレンジは、プロがやっているのではなく、同じ横浜楽友協会の団員(アマチュア)と言うのですから、驚きです。
アレンジ能力もさる事ながら、演奏力も高いです(と思います)。
横浜楽友協会の紹介になってしまいました…。詳しくは、演奏会プログラム冊子「non troppo」に書かれています。
今回も予習して行きました。予習で聴いていたイメージ通りの音が演奏された感激! 予習していて、良かったー。
「メキシコの祭」は、鐘の音で始まります。予習していたはずなのに、この鐘の音を記憶してなかった! 演奏が始まって、鐘(なんという楽器でしょうか? (追記 2009-06-10 00:43 「チューブラベル」と言うそうです。))を鳴らし始めて、「あれ、こんな演奏あったかな?」と思ってしまいました。目で演奏を見て、音の存在を知ったのです。後で復習したら、確かに鐘の音から始まっていました。予習と言っても、iPodに入れて、流しているだけですから…。
(追記 2009-06-10 00:43 演奏中、ステージ左袖から、見えない楽器の演奏が聴こえてきました。最初、録音した物を再生? かと思っていたら、演奏後に奏者が出てきました。「バンダ」と言うそうです。)
ベートーヴェン第5番は、いわゆる「運命」です。ベーレンライター版と言う、改訂された楽譜を使用しているそうです。その前の楽譜は、ベートーヴェンの楽譜をその当時の音楽学者や印刷業者が読み取って、書き直した物だったそうです。それが、改訂される際、ベートーヴェンの自筆楽譜が詳しく解析されて、よりベートーヴェンの意図に近づいている物らしいです。(プレトークで話されていた内容を記憶からたどっています)
実際の横浜楽友協会の「運命」を聴いてビックリしました。よくぞここまで、オーケストラ版のイメージ通りに吹ける物だと!!
アンコール曲は2曲でした。その1曲目の曲名がわかりません…。今度、知り合いの楽団員に聞いてきます。
- ルロイ・アンダーソン/舞踏会の美女(追記 2009-06-10 00:43)
- スーザ/星条旗よ永遠なれ
「星条旗よ永遠なれ」の演奏の時、観客も一緒に拍手で参加します。去年と違い、今年は一体感を感じました。
指揮は、小田野宏之さんです。知り合いの楽団員からは、「小田野さんはすごい」と聞いていたのですが、今回初めて、それがわかったような気がしました。
「星条旗よ永遠なれ」の時、小田野さんが、客席に向かっても指揮をしてくれるのです。これは今年に限らず、毎年の事です。でも、何故か今年は、私は小田野さんの指揮に感動してしまいました。指揮がわかりやすいのです。指揮者の意志をちゃんと伝えようとしているとでも言いましょうか…。
今年は初の試みと言う事で、演奏の前に「プレトーク」と言う物がありました。指揮者の小田野さんと、団内指揮者の長谷川正英さんが、演奏する曲について予備知識を語ってくれます。演奏会プログラム冊子にも、曲紹介が書かれているのですが、それと被らない話が聞けて良かったです。プレトークがある事は、当日会場に着いてチケットを買った時に気が付きました。ちょっと早めに行っていて、良かったー。
あぁ、でも、今回はちょっとぼけていました。せっかく買っておいたチケットを持って行き忘れたのです!! ガーン。桜木町駅に着いてから、気が付きました。引き返す時間も無かったので、当日券を買い直したのです。全席自由で、入場料も1,000円だったので、そう言う措置が出来ましたけど、ショックでした。
それと、双眼鏡を持って行くのも忘れました。
会場の写真を撮ろうと思って、デジカメを持って行くつもりでしたが、忘れました。と思っていたら、帰宅して鞄を開けてみたら、底のほうにデジカメが入れっぱなしになっていました。
次回(第32回)は、2010年6月6日(日)午後、神奈川県立音楽堂(今回と同じ場所)だそうです。指揮者も今回と同じく、小田野宏之さんです。
ディスカッション
こんにちは。
今回の吹奏楽コンサート、前半2曲、何か懐かしい曲目に思えてしまいました。両方とも吹奏楽コンクールでよく演奏されていたんですよね、昔。今はどんな状況なのでしょうか。
吹奏楽によるベートーヴェン、アマチュア・オーケストラをやっている人からすると、吹奏楽でベートーヴェンは邪道!などと言って腹を立てるか、見向きもしない場合が多々あるようですが、案外、別の面が発見出来るかもしれません。何せベートーヴェンは、ピアノでまず作曲し、それから管弦楽に書き換える作曲法だったとのこと、吹奏楽でも様になるかも知れません。ただモーツァルト同様、誤魔化しが利きませんから、演奏は大変だったと思います。
古典派の管弦楽曲を吹奏楽編曲で演奏、クラシック音楽の裾野を広げるためにも、もっとあっても良いかもしれませんね。ただ、編曲にもよりますが打楽器奏者がどうしても余剰になってしまうんですよね。その分、吹奏楽オリジナル曲で頑張ってもらえばいいのかなあ。
ほら貝さんへ、コメントありがとうございます。
実は、記事を書く時、ほら貝さんからのコメントを期待していました(読んでいただける事を想定して書いていました)。すみません。
最初の2曲は、吹奏楽で良く吹かれる曲なのですか。プログラム冊子のコメントに、1曲目は他の吹奏楽団で演奏した事があると書かれていました。
ぺートーヴェンの作曲法が、ピアノからと言うのも知りませんでした。ありがとうございます。ベートーヴェンがピアノを弾いている絵を見た記憶はあります(伝記の挿し絵だったかも知れません)。ピアノは音を確かめる為(と言っても、運命の頃から耳が悪くなっているのですよね?)に弾き、いきなりオーケストラの楽譜を書く物だと思っていました。
「運命」演奏は、様になっていましたよ。「え、これが吹奏楽!?」と言う出来でした。オーケストラでもそうするように、第3楽章と第4楽章は連続して演奏していました。
確かに、パーカッションの音が大きめかなぁ? と感じてしまいました。でも、必要最低限だと思います。
ご来場頂き大変ありがとうございました。
また、我々演奏者にとっては涙が出るほど嬉しいお言葉の数々、感激しきりです。
日頃小田野先生のご指導により「吹奏楽の形態で本当の音楽を」目指しております。
オーケストラでやろうが、吹奏楽でやろうが、ピアノでやろうが、三味線でやろうが(今まで聞いたことは無いですが(^-^;))、
「運命」は「運命」。ベートーベンはベートーベン。その音楽の本質を音にしたいと考えています。
極々たまーにジャズや歌謡曲もやったりしますが、同じです。都はるみを演奏する時はあの”こぶし”を学びます。
今後も是非お運び頂き、感想などをお聞かせ頂ければ励みになります。[E:happy01]
トランペット吹きさんへ、初コメントありがとうございます。
「吹奏楽の形態で本当の音楽を」ですか。なるほど。私は大きく勘違いをしていて、横浜楽友協会は「吹奏楽にする事」が目的だと思っていました。音楽の本質を求めているのですね。
次回の定期演奏会にも行こうと思います。