NAS補完計画〜見知らぬ、NAS4Free〜
内容予告
NAS4FreeはParallelsにインストールされた。だがそれはすべての始まりにすぎなかった。 設定に奔走するお市のかた。NAS4Freeのウェブサイトは、NAS4Freeのスクラッチからのビルドを決心させる。 今回、「見知らぬ、NAS4Free」。今回も、サービス、サービスゥ!
NAS補完計画(NAS Instrumentality Project)の私なりの定義は、次の通りです。
機能・性能的に行き詰まったNAS(HDL4-G)を、私の手で他のNASに置き換える事。アンチA.T.フィールド(Application Type Field。つまりは、ファイルエクステンション)を展開し、ファイルをIPパケットレベルに還元し、各PCに分散したファイルを一つのデータの集合体として(NAS: Network Attach Strage)の中に再構成する。
まぁ、冗談半分の定義ですけれど。それに、補完ではなく置き換えですし。
自宅にあるNASは、とても古くて、遅くて、しかもOS X 10.7 Lionに対応していないのです。それで、NASを置き換えようとしています。
- LANDISK Home HDL4-Gは、LIONではTimeMachineのバックアップ先にできない : プラスα空間
- netatalkの転送速度を測定しました : プラスα空間
- LANDISK Home HDL4-Gをリプレースしたい[追記あり] : プラスα空間
その方法の一つとして、FreeBSDにnetatalkなどをインストールして、家庭内サーバとして使おうと考えていました。
- FreeBSDの勉強中: プラスα空間 (2012年11月3日)
NASだけではなく、VPNサーバや家庭内DNSサーバ(またはDHCPサーバ)にも利用しようと考えているからです。
上記の記事を書いた時に、コメントをいただきました。
FreeBSDでNASをつくるなら、NAS4Freeの方がいいのでは?
nsbyさんより
FreeNASは知っていて、試していました。でも、なんだか、いまいちな感じでした。
NAS4Freeの存在は知っていたのですが、FreeNASの古いバージョンから派生した物なので、どうせ大した事は無いだろうと思っていました。
やっと、最近になって、試してみました。これが結構すごいのです。
結構お手軽な幹事で、NASを組めます。用意されている代表的なサービスとして、CIFS(SMB), FTP, SSH, NFS, AFP, Rsync, iSCSI, DDNS, iTunes, UPSがあります。機能的に十分です。
サーバとしてLinuxベースの物を選ばずに、FreeBSDの物を選んだのは、私がZFSを使いたかったからです。ZFSが使えるのは、Solaris 10、OpenIndiana(元OpenSolaris)などです。
ZFSで作る、RAID-ZやRAID-Z2、安心できそうです。かといって、バックアップしなくてよくなる訳ではないですけれど。
ドキュメントも揃っています。やる気になれば、NAS4Freeを"0″からスクラッチビルドができます。
ビルドする時に、カーネルにカスタマイズを加えてしまえば、思い通りのシステムを組めます。
実際にやってみたのですが、うまく行きませんでした。Kernelをbuildする所で、うまくパッチが当たらずに落ちます。詳しく調べればわかりそうですが、手をつけていません。
NAS4Freeで残念だったのは、NAS4Freeの現時点の最新版の9.1でも、使われているNetatalkのバージョンが古い事です。調べた所、netatalk 2.2.4でした。ここはやはり、3.0系を使って欲しい所です。
Netatalk 3.0系の方が、サーバ内部でアクセスするファイルの数が減ったり、デフォルトの設定が見直されたり、文字コードが簡素化されたりして、パフォーマンスがあがっているとの事です。HATさんに教えていただきました。
@oichinokata NAS専用なら2.2.4で十分じゃないかと。3.0.xの改善点は.AppleDoubleディレクトリの改善と、設定の単純さです。クライアントから見た場合、2.2.4と3.0.xに機能的な差はありません。
— HAT (@HAT0001) 2013, 2月 9
@oichinokata あ、でも3.0.xの方が少し速いか。次の3.0.3は更に速くなるでしょう。
— HAT (@HAT0001) 2013, 2月 9
@oichinokata 2.xだと、1つのファイルを開くために実際には2つ開く必要がありますが、3.xだとその必要がないです。1つのフォルダに大量のファイルがある場合、Finderでの表示が少し速くなります。
— HAT (@HAT0001) 2013, 2月 9
@oichinokata デフォルトのserver quantumの値が大きくなりました。http://t.co/u97tQVjc これは2.2.4でも設定変更で可能ですが。
— HAT (@HAT0001) 2013, 2月 9
NAS4FreeのAFPの設定画面を見ると、2.2.4系のnetatalkに深く根ざしているので、単純に自分でnetatalkだけを入れ替えると言うのはできなさそうです。
NAS4Freeは、NASとしてお手軽に使うだけなら簡単ですけれど、カスタマイズして使おうとすると、結構大変だと思います。
また、ちゃんとRAID-Zを組もうとすると、ZFSの知識が必要です。当たり前ですが。
これだったら、やはり普通にFreeBSDに必要なソフトウェアをインストールして使う方が、自由度が高そうです。
次回「NAS補完計画〜NASの価値は〜」予告
NAS置き換えに己の業をぶつけるお市のかた。そして語られる過去。
そして、OS X Lionにした時、所有しているNASは、お市のかたに希望を捨てさせた。
次回「NAS補完計画〜NASの価値は〜」みーんなで見てね。
お気づきかもしれませんが、タイトルと内容予告は、アニメ、エヴァンゲリオンを意識しています。
これらについては、次のページを参考にしています。ありがとうございます。
ディスカッション
NAS4Freeはnetatalk 2.2.4なのですね
NAS4Freeじゃないですけど、netatalkでOSXのTime Machine使ってますが、2.X から 3.0に変更したらかなり速くなったんで、3.0にしてほしいですね
ZFSをまともに使うにはメモリかなり必要ですけど、大丈夫ですか?
最低8Gぐらい無いと遅くて悲しくなりますよ
メモリいっぱいあると色々遊べるFSですが・・・
Time Machineをdedup + deflate(gzip-9)で設定したら遅い遅い。しかもあまり効き目がなく涙目でした(^^;
nsbyさんへ、いつもコメントありがとうございます。
そうなのです。NAS4Freeのnetatalkは、2.2.4でした。AFP用の設定画面が、netatalk 2系べったりになっており、3系に直すのには、結構手間じゃないかと思います。
自作するなら、次の構成にしようと思っていました。
NAS補完計画〜人の造りしもの〜[追記あり]: プラスα空間
http://oichinote.com/plus/2013/03/nas-complement-plan-homebuilt-computer.html
CPUはCeleron 847ですが、ZFSがメモリを大量消費するのは知っていたので、16GBにしようと思っていました。SATAが4portあるので、ZRAID-5を組むつもりでした。
でも結局、NASはQNAPのTS-412を買ってしまいました。
NAS補完計画〜ナスが、来宅〜: プラスα空間
http://oichinote.com/plus/2013/03/nas-instrumentality-project-the-nas-has-come.html
いま、その設定で苦労しています。私がやろうとしているのは、VPNサーバとDHCP+内部DNSサーバを兼ねる事です。TS-412なら、簡単にできるはずだったのですが、誤算でした。めちゃくちゃ面倒です。(VPNは、標準ではサポートされていない、L2TP/IPSecを入れようとしています)
netatalk 3.0.1も変な独自バージョン(P5)で、しかもバグを組み込んでしまっている感じですし。
こんな事なら、やはり自作PCにFreeBSD 9.1を載せてカスタマイズした方が、性能も自由度も立ち上がりも良かったはずです。
dedup + deflateと言う技術があるのですね。知りませんでしたので、調べました。教えていただいて、ありがとうございます。