ZFSのL2ARCの効果も調べる(SMB編)

FreeBSD,Mac,NAS,netatalk

ZFSのARCの効果を調べてます。きっかけは、次のメールです。

ZFSでARCをOFFにすると、WriteよりもReadの速度の落ち方が激しいと言う事です。最初、ARCのOn/Offで測定し、次にL2ARCも含めた調査をしました。昨日の時点では、AFP接続(Netatalk使用)の場合です。

ARCだけのOn/Offだと、Readの落ち込みが大きい様ですが、L2ARCだとWrite/Readでの落ち込み量の変化は小さそうです。

SMB接続(Samba使用)だと、Write/Readの落ち込みが変わらないという情報もありました。調べてみました。

まずは、SMB1(Samba3.6.25使用)でのFIOによるベンチマーク結果と、速度低下率です。

SMB1(Samba3)での速度

SMB1(Samba3)での低下率

Read/Writeでの速度低下率に差は見られません。ARC/L2ARCをOFFにした時の速度低下率が低いです。何故?

次に、SMB2(Samba3.6.25使用)でのFIOによるベンチマーク結果と、速度低下率です。

SMB2(Samba3)での速度

速度が、SMB1に比べて速くなりました。

SMB2(Samba3)での低下率

やはり、Read/Writeでの速度低下率に差は見られません。ARC/L2ARCをOFFにすると、なぜかSequential Writeの速度が大幅に上昇します。何故?

Sambaのバージョンを変更してみました。SMB2(Samba4.1.18使用)でのFIOによるベンチマーク結果と、速度低下率です。

SMB2(Samba4)での速度

Random Read/WriteがSamba3に比べてSamba4の方が速くなっている様です。

SMB2(Samba4)での低下率

Read/Writeで、速度低下率には差が見られません。また、ARC/L2ARCをOffにすると、Sequential Writeが速くなります。変。

最後に、SMB3(Samba4.1.18使用)でのFIOによるベンチマーク結果と、速度低下率です。

SMB3(Samba4)での速度

SMB3(Samba4)での低下率

Read/Writeで、速度低下率には差が見られません。L2ARCをOffにした時のRandom Writeの速度の上がり方が異常です。

確かに、SMB接続だと、ARC/L2ARCのOffによるRead/Writeの速度低下率の差が見えない様です。

ARC/L2ARCをOffにしてWriteすると、速度が上昇するのは、ARC/L2ARCに書き込むのに時間がかかるからでしょうか? でも、速度が上昇するのが、Sequential WriteだけだったりRandom Writeだけだったりするのがよくわかりません。

ちなみに、測定環境は次の通りです。

  • サーバスペック
    • Pentium G630T (MEM 16GiB)
    • ARC 15GiB (DRAM)
    • ZIL 8GiB (SSD)
    • L2ARC 16GiB (SSD)
    • データプール(upool) (HDD)
    • FreeBSD 10.0
  • クライアントスペック
    • MacBook Pro Retina 13 (Early 2015) i5 (MEM 16GiB)
    • USB3-GigabitEtherアダプタで接続
    • OS X 10.10.3 Yosemite

結局、原因がどこにあるのか、よくわかりませんでした。

Posted by お市のかた