岡本かおりさんの講演会に行ってきました

2019年7月23日学問・資格,旅行・地域

元デフバレーボール日本代表、最近は手話監修活動などをされている、岡本かおりさんの講演会が、10月29日に鎌倉市福祉センターでありました。内容も面白そうだったので、聞きに行ってきました。大雨の日でした。

鎌倉市福祉センター

だいぶ間が空いてしまいましたが、簡単にレポートします。レポートを読むと、概要は伝わると思いますが、岡本さんの講演の面白さは、実際に聞かないとわかりません。私は、岡本さんの講演を聞きながら、ゲラゲラ笑っていました。結構目立ってたみたいで(最前列に座っていましたので)、後でご本人とお話ししたときに、指摘されました。笑

私が有料イベントなどのレポートを書くのは、次の理由からです。

  1. 自分の記録のため
  2. 他の方がレポートを読んで、次回は行きたいと思ってもらうため
  3. 行きたくても行けなかった人に報告するため

講演は、手話読み取り通訳付きです。なるべく手話を直接読み取るようにしましたが、やはり手話通訳無しでは難しいです。もっと、手話を読み取れるようになりたいです。

岡本かおり氏講演会

とても元気をもらえる講演でした。チャンスがあれば、また行きたいと思います。

岡本かおりさんについて

岡本かおりさんの聴覚障害は生まれ付きで、ろう学校に通っていたそうです。ろう学校の部活動で、バレーボールか卓球の選択になり、バレーボールを選んだそうです。そして、高校の時に、デフリンピックのバレーボール日本代表に選ばれ、その後4回出場します。内3回で金、銀、銅メダルを獲得しています。選手時代の写真が表示されました。ほっそーい!

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岡本さんは、「目で聴くテレビ」にも出演されています。この番組には、「チャレンジかおり」のコーナーがあったそうで、耳が聞こえなくても、何でもできる! を証明するために、様々な事に挑戦されたそうです。たしかにその通りで、物理的な聞こえを要求すること以外は、ろう者でもできるはずで、それを実践してみた岡本さんはすごいと思います。

手話について

岡本さんは、とても手話が上手です。ですが、ろう学校でのコミュニケーション方法は口話とキュードスピーチだったそうで、ある時まで手話を使っていなかったそうです。そんな岡本さんが手話を勉強したキッカケは、高校1年生の時に他のろう学校の文化祭で、岡本さんと一緒に行った友達はその学校の人と手話で話しており、岡本さんだけが会話に入れず、悔しい思いをしたためだそうです。それから手話の勉強をはじめ。少しずつ覚えていったそうです。手話学習は、ろう者もおなじで、指文字もコツコツとだそうです。

新しい手話単語を覚える時、途中のわからない単語を文脈から推測すると言う方法は、なるほどと思いました。実践しようとすると、とても難しいですけれど。でも、本当はこの学習方法が一番良く、意味だけでなく、用例も一緒に身に付きます。

日本手話

手話学習をした事がある人なら、手話には大きく分けて「日本語対応手話」と「日本手話」がある事をご存知かと思います。日本対応手話は、日本語の単語をそのまま手話単語に置き換えた物と言う理解で大丈夫と思います。日本手話は、独自の文法を持つ言語です。岡本さんは、日本手話は深く広く、その魅力にとりつかれて、とても好きだそうです。

例えば、「今日は良い天気ですね」を日本語対応手話で表すと「今日/良い/天気/です/ね」となりますが、日本手話だと「今日/晴れ/良い(気持ち)」になります。他の例だと「外は強い雨が降っています。」は「外/強い/雨」に対して「外/雨/雨」。日本手話は、イメージをそのまま手話で表現するイメージです。本当に、絵に描いたように状況が伝わって来ます。日本手話、すごいです。

ISL

ISL(国際手話)についての話がありました。手話は、基本的に国毎の独自の物です。ですが、世界標準手話を作る試みがあります。それが、ISLです。ですがかなりの単語は、アメリカ手話だそうです。

ASL

ASLはアメリカの手話です。岡本さんは、アメリカ手話も覚えています。勉強の時は、日本手話を覚えた時と同様に、手話を見て覚えたそうです。ASLの勉強会で覚えたそうですが、一緒に通っていたご主人は、英単語を書いて、それに対応する手話単語を覚えたそうです。英語とアメリカ手話を同時に覚える作戦です。

タイ旅行に行った時、英語を覚えたご主人が、空港やホテルで筆談できるので、最初はご主人の勝ちでした。ですが、タイに住むろう者の友人と会った時、その友人はASLで話すため、ご主人は全く会話に入れず、岡本さんに軍配があがります。それを見て、ご主人はASLを覚えなおして、やっと会話に入れるようになりました。

英語もそうですが、実際に使える英語にするには、テキストではなく音で覚える方がよさそうです。子どもは音から覚えるのですから。手話も目から覚えるのがいいのでしょうね。

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CL (Classifier)

手話にはCLと言って、物の程度を表現する方法があります。その実例が紹介されていました。本棚では、様々な本棚の様子がCLをふんだんに使った手話で表現されています。昔話「桃太郎」をCLでの再現は、めちゃくちゃ面白かったです。それは、手話歌でも表現されます。日本手話とCLを使った「チューリップ」の歌が歌われていました。日本語対応手話との比較もあって、面白かったです。

プラスな言葉

プラスな言葉(ポジティブな言葉)にはプラスのエネルギーがあり、マイナスな言葉(ネガティブな言葉)にはマイナスのエネルギーがあるという話をされていました。実際に、プラスの言葉とマイナスの言葉を連続して口に出した後では、表情が変わってきます。

私は、基本的に、ネガティブ志向/思考です。とても辛くなります。でもこの講演を聞いて、言葉だけでもポジティブにしようかなと思いました。

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「ありがとう」と「当たり前」の関係に、感動しました。答えは、岡本さんの講演でご確認ください。

Posted by お市のかた