映画「茜色の約束」in ブラジル映画祭2012

2012年10月22日マナカナ,映画・テレビ・ラジオ

2012年10月6日(土)、ブラジル映画祭で上映された「茜色の約束」を観てきました。

久しぶりに「茜色の約束」を観ましたが、色々新しい発見があり、面白かったです。

場所は、渋谷駅から歩いて5〜10分位の所にある、ユーロスペースと言う映画館です。

立地条件がよろしくなく、不健全な建物に囲まれています…。

映画「茜色の約束」は、今までに3回観ています。

今回で、4回目の鑑賞です。私の中の評価では、「ま〜、1回見れば良いかな」程度の映画なのですが、何故観に行ったか?

それは、三倉佳奈さんの舞台挨拶があったからです。

実はこの日の午前中、次のイベントに参加していました。

このイベントが終了したのが13時10分、ブラジル映画祭で「茜色の約束」の上映開始が13時40分と、かなりギリギリのスケジュールでした。

ですが、なんとか間に合いました。映画館入りしたのが、上映開始3分前。本当にギリギリでした。

歩き疲れてて、正直なところ、映画の前半は最前列で寝てました…。寝てたのは、リカルドが古墳に侵入してからお祭りの辺りまでかな〜。申し訳なし。さすがに、その後はしっかり起きていました。

  1. 追加された日本語字幕により、リカルド達のポルトガル語がわかった
  2. 追加されたポルトガル語字幕により、「柳町商店街」の読み方がわかった
  3. 以前ロケ地巡りをした時に、どのシーンで出たか不明だった「金魚鑑賞魚藍観音像」がわかった
  4. 麻由子が何故ポルトガル語を話せるかわかった

1. 追加された日本語字幕により、リカルド達のポルトガル語がわかった

今回の映画は、「ブラジル映画祭」と言う事で、ポルトガル語の字幕が入っていました。また逆に、ポルトガル語の部分に日本語字幕が入っていました。

この字幕は、非常に効果的だと思いました。

大和郡山市で観た時には、リカルドや麻由子達が話すポルトガル語が全くわからず、ストーリーに付いて行けませんでした。全体の中では、重要な部分では無いのですが、わからないところがあるとやはり気になります。

ちなみに、麻由子がリカルドに最初に話しかけた言葉は「なにしとんの?」でした。

Google翻訳で訳したら、次の様になりました。

  • 「あなたは何をしていますか?」"O que u fazer?" (オキュファザシュ?)

こんな感じだったかな〜?

他、リカルド、花子、そして麻由子が、古墳に侵入するシーンがあります。立て看板に「みだりに域内に立ち入らぬこと」と書かれているのに、リカルドは何やらポルトガル語でつぶやいて入って行きます。字幕には「僕、日本語読めないから」と。

古墳看板

そうだったのか〜。映像を見ていて、そうだろうとは思っていたのですが、ちゃんとわかると納得できます。

日本語字幕は、群馬県太田市で上映された時から、追加されていたそうです。

2. 追加されたポルトガル語字幕により、「柳町商店街」の読み方がわかった

サンバ隊が「柳町商店街」を行進します。このシーンが映ったとき、字幕に「Yanagi-Cho」(やなぎちょう)と書かれていました。それまで、「やなぎまち」だと思っていたので、発見です。

う〜ん、でも、Googleで検索したら、上記のページが出てきました。「やなぎまち」と書かれています。実は、どちらの読み方もOKらしいです。

3. 以前ロケ地巡りをした時に、どのシーンで出たか不明だった「金魚鑑賞魚藍観音像」がわかった

以前、「茜色の約束」のロケ地巡りをしています。

その時に、ロケ地として紹介されていながら、今ひとつわかっていなかった金魚観音像がどこで使われているかわかりました。

花子のお母さんのお墓参りをしているシーンでした。映画の冒頭シーンです。ココですか…。

4. 麻由子が何故ポルトガル語を話せるかわかった

これは、今回の上映会の目玉、塩崎祥平監督、プロデューサーのジョン・ウィリアムズさん、西田麻由子役の三倉佳奈さんらの舞台挨拶での、質疑応答コーナーで明かされました。

答えから言うと、「設定では決まっていない」でした。

ですが、この映画館で上映されている間、楽屋で「何故麻由子がポルトガル語を話せるのか」の話があがっていたそうです。

佳奈さんが、西田麻由子を演じる上で自分で設定していたのは、「大学でポルトガル語を勉強していて、就職面接の時にポルトガル語を話せますので、ポルトガル語を活かせる職場に採用してください」だったそうです。

塩崎監督からは、「麻由子は日経ブラジル二世」とかの説も出ました。

私が最初に「茜色の約束」を観た時に考えたのは、次の通りです。

  • 大和郡山市は、ブラジル人が多いらしいので、麻由子の友達にブラジル人がいた。
  • 行きつけのレストランのマスターのカルロスから習っていた。

どちらも、外れていますが、実は観る人の解釈で良かった様です。

「茜色の約束」は、観ていると、説明の付かないところ、つじつまの合わないところがたくさんあります。ですが、この映画はファンタジーなので、そう言う所は、観た人の想像力で補って欲しいと、監督は思っているのでしょう。

ただ私は、簡単に説明が付く所、あるいは非常に基本的な所は、観る人にわかる様にしておいて欲しいと思いました。そうすれば、その枠組みの中で観る人が自由に解釈できますから。

その考えで行くと、麻由子のポルトガル語は、基本的な部分から外れるのかな?

この謎は、私が大和郡山市で「茜色の約束」を観た時から持っていた物です。今回、質疑応答コーナーがあったので、思い切って聞いてみました。楽しく答えてもらって、非常に嬉しかったです。

実は「麻由子が大学で勉強していた」説を、大和郡山市で上映された後で予想していた、マナカナファン仲間がいるのです。佳奈さんと同じ考えです! すばらしい。

他にも、たくさん質問が出ていたのですが、メモをしていませんでしたし、記憶力も無いので、すっかり忘れてしまいました。

でも、次のエピソードはしっかり覚えています。

カットになっちゃったけど、私マユコのお気に入りシーンの話をしたり。
うふふ。

ブラジル映画祭。|三倉佳奈オフィシャルブログ「三倉さんちの次女ブログ」powered by Amebaより

ネタバレします。

これは、麻由子が事務所で登場する時に使われる予定だった「麻由子が鼻をかむ」シーンです。めっちゃ真剣に演じたのに、時間の関係でカットになっちゃったそうです。真剣にやり過ぎて、鼻をかむ時間が長かったとかで。

他、エキストラとして出演した人が、塩崎監督と直接お話をして聞いた話だと、撮影したフィルムは全部で18時間。それを105分間に収めるのですから、大変な作業です。泣く泣くカットしたシーンもあるのでしょうね。

それと、青い金魚ですが、CGです。映画館で私の近くに座っている人が「青い金魚、どうやって撮ったか聞きたかったのに〜」と悔しがっていました。

私は、青い金魚はCGと言うのは聞いていたのですが、あの青は、ウロコ一枚単位で色付けしているのだとか…。色合いが違うので、一枚一枚色付けしているのだそうです。これは、別の人から後で聞きました。

色々、「茜色の約束」を掘り下げて理解する事ができました。

【あらすじ】「麻由子の茜色の約束」

最後に、もし西田麻由子が主人公だったら、「茜色の約束」はどういうストーリーなのかをまとめておきます。

もう、この映画を観たい人は観ていると思うので、思いっきりネタバレします。

市役所の地域振興課に回されて来た西田麻由子(三倉佳奈)。麻由子は、ちょっと天然が入った、のんびりした性格で、眼鏡の良く似合う女の子です。地域振興課での初仕事は、大和郡山市のシンボルである金魚のテーマパーク建設の為の、土地買収の交渉でした。

何もわからず、売却を渋っている嶋田養魚場に行く途中、ポルトガル語を話す少年に話しかけますが、追い払われました。

嶋田養魚場でも、麻由子は軽くあしらわれ、追い返されてしまいます。その上、帰り道に柄の悪い男達にからかわれてしまいました。

気分を紛らわせる為、行きつけの店"Samba no pé"(サンバのステップ)で呑んでいた麻由子。そこで、昼間の少年、リカルドの持っている青色に輝く金魚を見ました。

次の日、市役所に出勤すると、何やら騒ぎを起こしているブラジル人親子を見つけます。リカルド親子でした。リカルドが持っていた青い金魚は、住宅と引き換えに、市長に取り上げられてしまいました。

青い金魚とともに、市長室に行く麻由子。楽しそうに金魚の写真を撮る市長は、この金魚を、建設予定のテーマパークのシンボルに据えようとしていました。土地買収も終わっていないのに、こんなに話を進めて良い物か疑問に思う麻由子でした。

テーマパークの建設発表会の日、発表する市長を補佐する麻由子。発表時間が近づいて来たので、市長を呼びに行きますが、そこには以前見た柄の悪い男達と話す市長がいました。

発表が始まり、麻由子は、ステージに覆いの被った水槽を持って来ます。その場で披露される予定だった青い金魚は、何者かの手によって、普通の金魚にすり替えられていました。

責任を取らされ、麻由子は青い金魚を探しに行きます。当たりをつけてやって来たのは、"Samba no pé"。予想通り、青い金魚はリカルドと花子が持っていたのです。青い金魚を奪おうとしますが、マスターのカルロスに取り押さえられ、取り返す事はできませんでした。

それにも関わらず、いつの間にか青い金魚は、"Samba no pé"からいなくなってしまいました。

次の休みの日、麻由子はリカルドと花子とともに、リカルドが青い金魚を見つけた古墳の滝壺に行きます。ですが、何も見つけられませんでした。

土地買収が終了し、いよいよ建設計画に入りました。その会議室に遅れて入って来た麻由子が見た物は、あの青い金魚です。

不審に思った麻由子は、夜中に市長室に忍び込みました。そこで見つけたのは、土地買収に関する談合の資料でした。麻由子の中で、全ての謎がつながりました。

テーマパーク竣工式の日、駆けつけたリカルドと花子をサポートする形で、麻由子は挨拶する市長に待ったをかけます。市長の不正を暴いたのでした。

そこへ、カルロスのサンバ隊が到着します。そして、リカルドと花子は青い金魚を奪い返し、金魚を発見した滝壺に、花子の飼っていた茜色の金魚と共に、青い金魚を放ったのでした。

すると、奇跡が起きました。二匹の金魚から湧き出る光り輝く小さな金魚達。その金魚達は、町中の金魚園の池に放たれました。

光り輝く金魚達を見て、眼鏡を取る麻由子。そして、「これぞ、金魚パーク」と一言。

新しい市長のもと、麻由子は生き生きと仕事に励むのでした。

初回鑑賞の時に書いてあった文章を掲載する事にしました。

あ〜、なんだかもう一度観たくなりました。

ブラジル映画祭はまだ続いています。10月27日に、浜松で上映される様です。

Posted by お市のかた