元デフバスケットボール代表石川友正氏の講演会に行ってきました[追記あり]
10月1日に、東京都港区湊勤労福祉会館で開催された、元デフバスケットボール代表石川友正氏の講演会「デフバスケットボールと今後の課題について」を聞いてきました。参加した理由は、友達からの紹介です。
チラシです。
会場のある、港勤労福祉会館です。
入り口に案内板がありました。
講演について
石川さんの経歴、デフバスケとの関わり、デフバスケットに付いて、デフリンピックについてが講演されました。
石川さんの経歴
石川さんは秋田県出身です。聴覚障害を持っています。そのため、講演会には手話通訳が付いていました。そして、秋田出身の聴覚障がい者と言うことで、秋田ならではの手話(横手、能代(のしろ)、大館、高校、掃除、給食)が説明されていました。
聴覚障害を持っていますが、幼稚園〜大学まで、普通校で過ごしたそうです。
そして、「熱い人」です。
デフバスケとの関わり
健聴者に混ざってのバスケットは、お姉さんの影響で、小学校4年生から大学4年生まで続けたそうです。ですが、大学でバスケットをしていた際、技術的には問題無いのに、試合中に他のメンバーとコミュニケーションできないと言う理由でメンバーから外されたそうです。
その反動から、身なりが派手になり、荒れてきたそうです。そんな中、バスケット指導者の佐藤久夫さんから、何度も「夢は何か?」と、声をかけられましたが、答えられずにいたそうです。そして「若いから何でもできる」と励まされ、デフバスケットを知ることになりました。
佐藤久夫さんに関するリンクを紹介しておきます。
デフバスケットについて
石川さんは、デフバスケット日本代表でした。日本代表の時のポジションは、PF(パワーフォワード)とC(センター)だったそうです。センターは、スラムダンクの赤木剛憲と同じだと言う話になりました。「リバウンドを制する者は試合を制す」と言うセリフで有名です。
[amazonjs asin="B01M0BO1YP" locale="JP"]演習で、健聴者のバスケットとデフリンピックの違いに付いて学習しました。健聴者のバスケットは、審判の笛が聞こえ、選手同士は声でコミュニケーションをとります。これに対しデフバスケットは、手話とアイコンタクトでコミュニケーションをとります。審判からは、笛と旗(専任がいる)で合図されます。
もう一つの演習として、後ろからパスされた時、パスを受ける人はどうやって自分に向かってボールが飛んできているかを知るのか? を学習しました。チームメイトが、パスを受ける人に向けて合図をするのだそうです。
デフバスケは、通常のバスケット以上に、いつ、どこで、何がおきているかを予測し続けることが大切だそうです。
デフリンピックについて
石川さんは、日本代表として、デフリンピックに参加していました。その頃、デフリンピックに参加するに際して、次の問題を抱えていたそうです。
- 国の支援がない
- 自己負担が多い
- (会社から)休暇をもらいにくい
結局、デフリンピックに対する認知度が低いための様です。デフリンピックと言う言葉の国民の認知度は、2013年時点で2.8%、2017年で11.2%です。パラリンピックの認知度98.2%に比べて、あまりに低いです。
おそらく、認知度が低いが故に、国の支援がありません。そして、パラリンピック選手は使えるナショナルトレーニングセンターを、デフリンピック選手は使えません。
練習場の確保のため、一般の体育館を借りることになるのですが、体育館を借りる費用が自己負担になってしまうのです。「自己負担が多い」のほとんどは、体育館使用量だそうです。
「(会社から)休暇をもらいにくい」のも、認知度が低いためとお話しされていました。
石川さんは、ブルガリアのデフリンピックを持って、日本代表を引退されたそうです。
感想
「デフバスケ」と言う言葉自体は知っていましたが、どう言う違いがあるかに付いては全く知りませんでした。聞こえない制約を乗り越えて、力一杯バスケットを楽しんでいる様です。恥ずかしながら、バスケットにもポジションがあることを知りませんでした。また、記事を書きながら「リバウンドを制する者は試合を制す」とは、どう言う意味なのかを知りました。ゴールから外れたボールを如何に処理するかが試合を決めると言うことなんですね。
石川さんが手話で講演し、読み取り通訳者が付いていました。私は、なるべく手話を聞こうと思ったのですが、どうしても読み取り通訳者の声に頼ってしまいます。私の読み取りレベルは、手話通訳者の足元にも及びません。手話で話された内容を的確に日本語として要約し、伝えてくれます。いつかは、手話通訳者レベルに達したいです。
(追記 2017-10-08 20:13)
講演会で、「内容の公開は止めてください」と言われたと思ったのですが、後でご本人に確認したところ、公開禁止は一部の話だけでした。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません