「キャリアポルノは人生の無駄だ [Kindle版]」は「キャリアポルノ」か?!

さだまさし,心と体,日記・コラム・つぶやき,書籍・雑誌

昨年10月に購入したまま、読まずに年を越してしまいました。本日、時間があったので読み始めたら、半日で読み終えてしまいました。

読み始める前は、「@may_romaさんのブログやtweetを読んでいるから、わざわざ本を読むのも面倒だなぁ」位の気持ちでした。

この本には、「キャリアポルノ」の定義や問題点から始まり、日本(やアメリカ)で「キャリアポルノ」が好まれる理由、@may_romaさん(著者の谷本真由美さん)が日本の中だけの狭い価値観から脱却した経緯、そしてどうすれば、もっと楽な気持ちで生きられるかが書き綴られています。また、「キャリアポルノ」を読む場合の注意点にも触れられています。

ただ、間違った読み方をすると、この本自身が一種の「説教系キャリアポルノ」になってしまうのです。そう言う状態になってしまった事を、@may_romaさん自身も驚かれているようです。

他の「キャリアポルノ」とどう違うかと言うと、この本に書かれている内容は、誰の身にも起きる事だと言う事です。ただ、「他人事」と思って読んでしまうと、「キャリアポルノ」と区別がつかなくなります。

@may_romaさんが、日本だけの価値観から脱却できたのは、身内に起きた事件が発端で、その後、実際にイタリアで生活してみたら、日本式の狭い価値観を身につまされて気が付かれたと言う事です。

多くの方は、実際に海外で生活されるチャンスは無いかもしれませんが、海外から日本を見た時のおかしな点を、@may_romaさんが的確に表現して下さっています。

少し長い引用になってしまいますが、その部分は下記の通りです。

日本の社会というのは、一般的には「和」を重視すると言われていますが、実はその「和」とは、集団から突出しない集団圧力であり、しかしながら、集団内では小規模なレベルで常に競争があり、他の集団とは激しい競争をしているという、実は競争好きな社会であるのです。

「キャリアポルノは人生の無駄だ [Kindle版]」、谷本真由美(@May_Roma)著、「第3章第1節 実は「競争命」の日本的な労働観」より

結局は、村社会の考えが、そのまま労働環境に引き継がれてしまっているのです。非常に良くわかります。この様な考えが、日本での生活の息苦しさを生み出しています。

では、どうすれば良いか? その答えが、最後の章に書かれています。

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結局、自分の力では、どうしようもない事があるんですよ。「生命」「時間」「心」。さだまさしさんの詩(うた)のテーマです。

本ウェブサイトでは、私の好きな、さだまさしさんの事についても書いています。

さださんのコンサート、実はトークやエッセイには「キャリアポルノ」的要素もあります。でも、私は早い時点で、問題点に気づいていたようです(意見には個人差があります)。

「強い夢は叶う」ってさださんがおっしゃっていますが、やっぱり、どうしようもならない事もあります。「夢」を実現するために努力する事は必要だと思いますが、時々立ち止まって、その「夢」を客観的に、あるいは定量的に考えてみる事も必要だと思います。

私が好きな唄、「いのちの理由」の一節を引用させていただきます。

しあわせになるために 誰もが生まれてきたんだよ

「いのちの理由」作詩、作曲: さだまさしより

この詩の通り、人は幸せになるために生きています。どう生きれば、息苦しく無く生きられるかが、この本で語られています。

あれ?! やっぱり「キャリアポルノ」?! そうでは無い事は、次の読書記にまとめてあります。

また、この本を読むと、@may_romaさんのtweetの背景となっている考え方を理解する事ができます。

@may_romaさんを毛嫌いする人がかなりいますけれど、@may_romaさんは、常識のある方です。英語塾で、「入金しました」「受け取りました」などのメールのやり取りや、twitter上で一度だけ会話させていただいたのですが、非常にきちんとした方と感じました。

@may_romaさんの、twitterで時々発せられる汚い言葉は、注目を集めるための「撒き餌」の様な物だと思います。

本記事のタイトルも、「撒き餌」的な意味を込めています。

Posted by お市のかた