DVD「月の子供」を観ました

マナカナ,文化・芸術

先日届いた月の子供のDVDを観ました。この作品は、演劇「月の子供」を観てきましたで書いた通り、劇場でも観ています。ですが、劇場で観るとの、DVDで観るのとは、印象が違っていました。

観たのが2回目と言うのもあるのでしょうが、DVDの方が劇場で観るよりも、ストーリーを追いやすいです。なぜなら、カメラが演技者にフォーカスされるからです。劇場では、全体を観てその中でストーリーを追いかけると言う形でしたが、DVDでは直にストーリーを追えます。

それと、演技者の表情がわかって良いです。劇場で観た時は、かなり後ろの席だったので、役者さんの表情まではわかりませんでした。

DVDで観た時の、私が感じたこの作品が意味する所は、「人生に迷ったら、視点を変えて見つめ直してご覧」です。ちなみに、劇場で観た時に感じた作品の意味は「自分が生きている意味を、視点を変えて考えてみる事も必要だよ」でした。

最初に観た時も、ちょっと引っかかっていたのですが、「人生迷ったら下を見ろ…」「月の子供に比べれば…」という表現が、どうも気に入りません。非常にインパクトの在る言葉で、作品に引きつけると言う意味では良いのですが、どうにも表現が納得できないのです。自分より下の立場を見られる人は良いけれど、下の立場にいる人はどうなっちゃうのでしょう。更にその下を見なきゃいけないのでしょうか?

劇を最後まで見ると、この印象深い始まりに対して、後半でこれを受け止め昇華させる部分があるのですが、そこが弱いなぁと感じました。

作品後半で、これを受け止める部分は次の2つがあると思います。

  • プッシュプッシュプルプル(push, push, pull, pull)
  • 自分で自分に名前を付ける自由がある

ちょっと、解説してみましょう。

「プッシュプッシュプルプル」と言うのは、生きる事において、押して、押して、それでもダメなら引いてみると言う事です(押してもダメなら引いてみな)。作品中では、人生で引いて良いのは女と悪い友達からだけと言っており、他の事、例えば病気に対しては、最後まで諦めずにプッシュしなければならないと言っています。ちゃんと良い事を言っています。

作品中、最後の部分でほぼストレートに「自分で自分に名前を付ける自由がある」と主題を伝えています。ここで言われている「名前」は自分の立場、あるいは立ち位置、役どころです。自分の事は自分で決めて良いのです。

冒頭の「月の子供に比べたら…」と「自分で自分の名前を付ける自由がある」とを合わせて考えると、「自分の立場が上にいる(幸せな)のか、下にいる(不幸な)のかは、自分で決められる。頑張れ!」と言うことを、この作品は言いたかったのではないかと、推測できます。

「月の子供に比べたら…」という言葉の印象が強すぎて、劇終盤でこれを覆(くつがえ)す表現が、今一つだったような気がします。間のストーリーがいろいろな所に飛んで、複雑に絡み合って、夢なのか現実なのかわからなくなってしまうと言うのも、話をわかりにくくしている原因でしょう。でも、この突拍子の無さが、この作品の特徴でもあるので、どう評価して良いか、難しい所です。

もちろん、ここまで書いてきた事は、評論家でもない素人の私が、感じた事そのままです。何回もDVDを観れば、感想が変わってくるかも知れません。

主人公「佐倉悟」を真剣に演じる三倉茉奈、三倉佳奈を見て、「女優」としての二人に魅かれました。普段のバラエティ番組に出ている時のマナカナとは大違いです。そんな二人を見るためにも、この作品は良いと思います。もちろん、他の役者さんも素晴らしい演技をしています。

月の子供のDVDが届きました。でもがっかりな事が…で書いた通り、日本語字幕がありませんでした。やはり、台詞が早口で、聞き取れない所がたくさんありました。字幕があったら良かったのにと思います。

 

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Posted by お市のかた