朗読劇「私の頭の中の消しゴム」を観てきました[追記あり]

2016年4月30日マナカナ,文化・芸術

本日、天王洲銀河劇場で、朗読劇「私の頭の中の消しゴム」を観てきました。めっちゃ感動しました。私が今まで見てきた作品の中でも屈指のものです。「人生で一番大切な物は何か?」「それを護る為にはどうやって生きたら良いか?」を考えさせられました。

私の頭の中の消しゴム

何が凄いかって?! 脚本・演出・音楽・演技、どれをとっても素晴らしかったです。まだ公演中ですので、ネタバレしないように、感想のみ書きます。とは言っても第8回開催の演劇なので、検索すると内容が出てきてしまうと思います。

脚本・演出

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岡本貴也さんが脚本と演出を担当されています。元は、韓国映画「私の頭の中の消しゴム」ですが、完全に朗読劇として書き直されています。小説版が劇場で売られていましたので、購入しました。岡本さんにサインをしていただけました。

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私は、映画を見ていないので、映画がどうだったかわかりません。朗読劇「私の頭の中の消しゴム」の小説版の前書きを読むと、朗読劇用に新規に書き起こされた物のようです。おそらく、映画のエッセンスを切り出し、二人だけの演技で、その世界を作り上げられるようになっているのだと思います。

舞台セットが非常にシンプルなのに、劇中の世界を表すのに十分な内容になっています。舞台セットの必要要素も、岡本さんが設定したようです。セットの表面は、おそらく新聞紙に塗装して、カジュアルかつ落ち着いた感じを出しています。

舞台中央に大きなスクリーンがあります。最初は何も映っていないのですが、途中でシーンを象徴するスライドが映し出されます。考えさせられるシーンでは映像が無く、観る人の特性をよく考えた使い方になっていると思います。

「付箋」が、朗読劇「私の頭の中の消しゴム」の重要なアイテムの一つです。その付箋が効果的な使われ方をしていました。どうやって、あの仕組みを再現しているのでしょうか? これは、検索してもわかりませんでした。

音楽

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劇中のサウンドトラックCDがグッズとして販売されています。購入して、今この記事を書きながら聴いています。「音楽が素晴らしい」と書きましたが、改めてCDを聴いても、どのシーンで使われていたか、思い出せません。う〜ん。

劇中で聴いた時は、そのシーンにピッタリの音楽だと感じていました。

あ、今ちょうど「あれから今(answer song)」がかかっています。この曲は、クライマックスで流れた曲かなぁ。胸がキューンとなると同時に、安心を感じます。

そして、CD鑑賞の2週目。「あの海が見える場所へ」がかかっています。クライマックスのシーンはこちらだな! 幸せに思えて良かった。

演技

そもそも、私が朗読劇「私の頭の中の消しゴム」を観に行った理由が、役者の三倉茉奈さんが薫役で出演されるからです。私は、運良く最前列のチケットを手にすることができ、劇中の茉奈さんをガン見していました。浩介役の矢崎広さんの方はほとんど見ていませんでした。チラッとは見ましたけど。ごめんなさい。

この朗読劇は、それぞれの日記を読み上げると言う形式になっています。声のトーン、読むスピード、掛け合い、そのシーンに合わせた役作り、そして、動き。どれも非常に満足の行く物でした。もちろん、演出の岡本さんが指導している訳ですが、岡本さんによると、同じ指導をしても、役者さんによって全く違う表現をされるそうです。今回の薫は、茉奈さん流の薫だったはずです。

私が今まで茉奈さんの演技を観て来た感想は、「配役を茉奈さんのカラーに染めて演技する」でした。今回の薫は、本物の薫が居るようでした。茉奈さんの演技スタイルが変わったのでしょうか? もちろん、その要素は大きいと思います。言葉で表すのが難しいのですが、配役と茉奈さんが融合して、茉奈さん自身が薫として生きている感じでした。舞台上には薫しか、それを実体化した茉奈さんしかいないのです。やっぱり、上手くなっているんだなぁ。

シーンごとに、薫のキャラが切り替わるのですが、その切り替えもバッチリでした。あぁ〜、なるほど〜と言う感じで。これは、冷静な見方をした場合で、劇中はのめり込んで観ていますので、その時々の薫に釘付けです。

チラッとしか見ていない矢崎さんも、素晴らしい演技をされていました。粗野な浩介から優しい浩介さんまで。風貌も、浩介にあってたような気がします。

感想

これは、本当に良い作品です。こんな状況になったら、私自身どうすれば良いのかを考えながら、そして浩介と薫のそれぞれに自分自身を重ねながら観ていました。「そうそう」とか「何でこんな事をするかな」とか。心を大きく揺さぶられます。自然と涙が溢れてきます。涙を無理に誘う脚本ではなく、観客の内面に訴えて、自然とこみ上げる涙です。私は、こう言う脚本が好きです。

(逆に言うと、無理に泣かせようとする脚本や演出は好きではないと言う事です。)

あ〜、もう一回観たいなぁ。

えっ! 5月3日(火)にも、茉奈さんが出演する「私の頭の中の消しゴム」があるの?! (しらじらしい)

当然、観に行きます。チケット購入済みです。次回までに、小説版を読んでおこうと思います。新たな感覚で楽しめると思います。

おまけ情報

劇場でグッズが販売されています。そしてなんと、3,000円以上購入した方には、特製ポストカードが貰えます。一組で2種類あるので、両方揃えるには、6,000円以上購入する必要があります。

私は、次の物を買って、特製ポストカードを2枚とも揃えました。

  • パンフレット (2,000円)
  • 岡本貴也著「朗読劇 私の頭の中の消しゴム」 (1,296円)
  • サントラCD「あの海が見える場所へ」 (2,000円)
  • 消しゴム 付箋紙 (100円×8セット)

付箋紙が7セットだと、5,996円で、4円足りません。駄目元で「オマケして貰えないの?」と聞いてみましたが、当然NGです。8セット購入しました。合計6,096円です。

本日の公演が記事になっています。

(追記 2016-04-30 23:55)

茉奈さんの記事がアップロードされていました。茉奈さんも、薫を生きている気持ちで演じているんだ!

Posted by お市のかた