「みすゞ朗読コンサート」レポートです[追記あり]

2014年2月22日さだまさし,マナカナ,文化・芸術,旅行・地域

2014年2月2日(日)、山口県長門市の「ルネッサながと」で開催された「みすゞ朗読コンサート」に行ってきました。

金子みすゞ朗読コンサート

出演者は次の通りです。

  • 加羽沢 美濃(かばさわ みの)さん … 作曲家。ピアノと司会を担当
  • 三倉 茉奈(みくら まな)さん … 女優。朗読を担当
  • 松本 蘭(まつもと らん)さん … バイオリニスト。バイオリンを担当
  • みすゞ少年少女合唱団 … 21名の幼児〜中学生。合唱担当
    • 末廣めぐみさん … 合唱団の指揮担当
    • 岩佐靖子さん … 合唱団のピアノ担当

主催は、NHK山口放送局、長門市、公益財団法人長門市文化振興財団です。NHKが主催ですので、当日は公開録音で、2月15日(土)に放送された様です。

感想は、次の記事に書きました。

いつも通り、コンサート中にメモして来た内容とコンサートパンフレットを元に、レポート形式でまとめたいと思います。メモから書き起こしていますので、実際の内容と違っているかもしれません。ご容赦ください。

それと、だいぶ長くなってしまったのですが、内容的に2回に分けるほどでもないので、そのままにします。

プログラムは、2部構成でした。

【第一部】

  1. 加羽沢美濃 作曲「24のプレリュード」から「初恋」
  2. 金子みすゞ詩「大漁」「お魚」「積もった雪」「雀のかあさん」「こだまでしょうか」
  3. 金子みすゞ詩「不思議」「草の名」「硝子と文字」「井戸ばたで」
  4. 加羽沢美濃 作曲 ピアノ演奏
    • 映画「チルソクの夏」から
    • 映画「獄に咲く花〜吉田松陰の恋〜」から
  5. 金子みすゞ詩「土」「芝草」「露」「私と小鳥と鈴と」

【第二部】

  1. 横山祐美子作曲 2部合唱とピアノのための「みすゞとの旅」から「わたしと小鳥とすずと」「ふしぎ」「なしのしん」「木」「大漁」
  2. エルガー作曲「愛のあいさつ」
  3. 加羽沢美濃 作曲「緑の風」
  4. モンティ作曲「チャールダーシュ」
  5. 横山祐美子作曲 2部合唱とピアノのための「みすゞとの旅」から「星とたんぽぽ」(スペシャル・コラボレーション版)

コンサートが始まる前に、前説がありました。加羽沢美濃さんと、たしかNHK山口放送局の結構偉い人が出てきました。その「結構偉い人」が話し上手でした。

その方は、若干頭髪が薄い方です。「裏方ですので、目立たない様に黒い服装で来ましたが、頭だけはめだっちゃいました」と自虐ネタ。

出演者紹介でも「本日の出演者には、共通点があります」と加羽沢さんに振りました。加羽沢さんは「女子?」と答えると、「惜しい! 答えは『大変美しい女性』」と、よいしょしていました。

「よいしょ」ではなく、本当に美しいと、私も思います。

でも、「本当の共通点は、『みの』『まな』『らん』で、名前の読みが2文字」と、下げていました。

そんな感じで前説が終わり、コンサートの開演です。

【第一部】

1. 加羽沢美濃 作曲「24のプレリュード」から「初恋」

加羽沢さんが登場され「こんにちは。ようこそおいで下さいました。」の挨拶で始まりました。

「24のプレリュード」と言うアルバムから「初恋」と言う曲です。映画の主題歌らしいです。

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加羽沢さんは、作曲家としても活躍されており、映画音楽も作曲されているそうです。その関係で、山口にも関わりが深いとか。山口県を題材にした映画には「チルソクの夏」「四日間の奇蹟」「獄(ひとや)に咲く花」があるとの事です。ですが、長門市に来たのは初めてだそうです。

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2. 金子みすゞ詩「大漁」「お魚」「積もった雪」「雀のかあさん」「こだまでしょうか」

加羽沢さんから、金子みすゞさんの簡単な紹介がありました。金子みすゞさんは、明治36年から昭和5年まで生きられ、500以上の詩を残して来たそうです。

三倉茉奈さんが登場して、金子みすゞさんの詩を朗読します。それに合わせて、加羽沢さんが即興でピアノ演奏をスタイルが取られました。

加羽沢さんのピアノ演奏は、「本当に即興で作っているの?!」と思えるくらい、朗読にマッチしていました。

茉奈さんの朗読も心地よかったです。

加羽沢が茉奈さんを「『ふたりっ子』で有名になった、日本を代表する双子」と紹介します。

茉奈さんは、次の様な自己紹介をされていました。以下、色付き枠で囲った部分は茉奈さんの発言です。

「ふたりっ子」でのデビュー以来、みなさんが育てて下さいました。マナカナの、結婚していない方の三倉茉奈です。最近、(結婚は?と)良く聞かれるのですが、焦っていません。

確かに、イベントに出かけると、お二人を良くご存じない方から、「マナカナのどっちかが、結婚したよね」と言う話し声が聞こえてきます。結婚している方、していない方と言う分け方の方が、覚えやすいのか? 今後、茉奈さんも結婚されたらどうなんでしょう? その頃には、妹の佳奈さんにお子さんができていて、「子持ちの方」とかで分けられちゃうのでしょうか?

興味がない方に取っては、そう言う物なのかもしれません。私だって、他のアイドルグループでは、名前も顔もわからないもの…。

長門市に来たのは初めてです。萩市には『キッチンが行く』で来ました。トラフグがおいしかったです。山口県は、良いイメージしかありません。」

「キッチンが行く」には、三倉茉奈さんと佳奈さんも登場され、レポーターをしています。私は、録画しっぱなしで、ほとんど見ていないのです…。でも、先日偶然見たとき、面白い番組だと思いました。「はなっこりー」と言う野菜を使った特集だったのですが、茉奈さん、レポートが上手です。

3. 金子みすゞ詩「不思議」「草の名」「硝子と文字」「井戸ばたで」

長門市の簡単な紹介がありました。長門市は、海岸線にある街で海の幸が豊富で、特に仙崎はイカ、かまぼこが有名だそうです。かまぼこについては、「東の小田原、西の仙崎」と呼ばれるくらいだとか。

他、焼き鳥屋が多いと言う話もされていました。

私の金子みすゞさんの印象は、テレビで放送されていた「こだまでしょうか」です。良い意味でひっかかりました。

私も、「こだまでしょうか」に惹かれました。惹かれたと言うか、結構、衝撃的でした。こんなに優しい視線の詩があるのだと。

金子みすゞさんへの原点が、茉奈さんと同じで、嬉しいな。

金子みすゞさんへの原点が「こだまでしょうか」なのは、

私だけでしょうか?
いいえ 誰でも

と思いますが。

でも、金子みすゞさんを再発見した詩人の矢崎節夫さんの原点は「大漁」なんですね。矢崎さんに感謝です。

ここで、加羽沢さんから、「朗読に合わせて即興演奏している」と言う話がありました。

詩の朗読は初めてで、緊張しました。でも、心地よかったです。ピアノの演奏素敵でした。

茉奈さんの朗読も素敵です。

加羽沢さんは「リハーサルとは、読み方が全然違う。」と、感想をおっしゃっていました。

女優で演技している時は、他の人として演技しています。(今日は)茉奈として朗読しないと、(他の人と)変わりません。「こだまでしょうか」では、お子さんとお母さんが登場しますが、役者っぽい読み方をしています。

茉奈さんは「こだまでしょうか」の登場人物を、お子さんとそのお母さんと捉えていたのですね。

私は、茉奈さんの朗読の中から、それをキャッチする事ができました。ちゃんと、お母さんの声、お子さんの声を、演じ分けていたと思います。

そう言う、茉奈さんの朗読について、加羽沢さんは「役者さんの朗読は、アナウンサーと明らかに違いますね。」と話されていました。

加羽沢さんは、これまでにも朗読コンサートをやっておられるのでしょう。その時、アナウンサーの朗読に合わせて演奏されたのでしょうね。

私の推測ですが、アナウンサーの朗読って、きっちりした感じなのだと思います。書かれてる事を、正確に伝えると言う事が役目だと思いますので。

大切に、一文字ずつ読ませていただきました。詩に対するイメージは、みなさん違っていても構わないと思います。

私の「こだまでしょうか」の解釈は、子ども同士の会話だと捉えています。

茉奈さんと、それから私、
みんなちがって、みんないい。

って感じですね。

加羽沢さんは、ピアノを朗読に合わせているとの事です。

茉奈さんは、「草の名」がお気に入りだそうです。子ども目線で書かれている事と、「私がつけたのよ」と言うところが。

次はピアノ演奏だけになるので、茉奈さんは中座されました。

4. 加羽沢美濃 作曲 ピアノ演奏

2曲演奏されました。

  • 映画「チルソクの夏」から
  • 映画「獄に咲く花〜吉田松陰の恋〜」から

どちらも、山口県に関係する、加羽沢さん作曲の映画音楽です。

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すごく心地よかったです。心地よすぎて、うつらうつらしてしまいました…。なので、あまり覚えていないです。加羽沢さん、ごめんなさい。

5. 金子みすゞ詩「土」「芝草」「露」「私と小鳥と鈴と」

茉奈さんが、再び朗読されました。

加羽沢さんが、詩のイメージに合わせて、どうやってアレンジしているのかを実験してみせますと言う事になりました。実験材料は「ぞうさん」と言う動揺です。アレンジ内容は、次の通りです。

  • 足の遅い「ぞうさん」
  • 悲しい「ぞうさん」
  • 演歌っぽい「ぞうさん」
  • サザエさんのどら猫と競争している「ぞうさん」

どれも、そう言う感じが出ていました。ちなみに、最後のアレンジテーマは、会場からのリクエストです。こんな無茶振りにも、加羽沢さんは難なくこなしていました。

「ぞうさん」、面白いですねぇ。

と言う話から、茉奈さんとコラボレーションする事になりました。茉奈さんが、「ぞうさん」の主旋律をピアノで生演奏し、加羽沢さんが伴奏を付けます。茉奈さんの弾く「ぞうさん」を、なんと、泳がせちゃうとの事です。

「本当にそんな事ができるのか?!」と思ったですが、できていました! なんでも、分散和音と言うテクニックを使うそうです。

代表的なのは「白鳥」(サンサーンス)だそうです。

「白鳥」は、さだまさしさんファンの方なら、ご存知ですね。「セロ弾きのゴーシュ」のイントロでも使われていますし、歌詩の中にも「サンサーンスの『白鳥』を聴かせている」と出てきますものね。

茉奈さんの演奏を、加羽沢さんは「緊張気味の『ぞうさん』でしたね」と評されていました。

【第二部】

1. 横山祐美子作曲 2部合唱とピアノのための「みすゞとの旅」から「わたしと小鳥とすずと」「ふしぎ」「なしのしん」「木」「大漁」

子ども達の合唱でした。金子みすゞさんの詩も若干アレンジして、歌いやすくしている様です。

2. エルガー作曲「愛のあいさつ」

ここで、バイオリニストの松本蘭さんの登場です。

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加羽沢さんから、「2009年のミス日本のグランプリ…を逃して『ミス着物』として選ばれた、松本蘭さんです。」と紹介がありました。

松本さんは、「ミス着物」になってから、「着物を着ながらバイオリンを弾く」と言うお仕事が入ってくる様になったそうです。

その松本さんは、今は、「ミス日本」の審査員側に回っているそうです。

加羽沢さんは、松本さんを「美貌、スタイル、才能を兼ね備えています。」と誉めるのですが、松本さんは「頭の中は、パッパラパーですけどね」と自虐。そんな松本さんの発言を、加羽沢さんは「自分で言わなくても良い」とフォロー(?)します。

3. 加羽沢美濃 作曲「緑の風」

この曲は、加羽沢さんのオリジナル曲です。聴いていて、私は「風が見えた」気がしました。

4. モンティ作曲「チャールダーシュ」

ごめんなさい、覚えていないです…。でも、松本さんのバイオリニストとしての立ち姿、美しかったです。

5. 横山祐美子作曲 2部合唱とピアノのための「みすゞとの旅」から「星とたんぽぽ」(スペシャル・コラボレーション版)

このコンサートのクライマックスです。加羽沢さんのピアノ、松本さんのバイオリン、みすゞ少年少女合唱団によるバックコーラス、そして茉奈さんの朗読です。

すごく心地よかったです。心地よすぎて、せっかくのクライマックスなのに、うつらうつらしてしまいました。私って、ほんとバカ。

好きな詩に会うと、普段見えていない自分の中の何かが見えて来ます。

みたいな事を話されていたとメモしているのですが、実際の発言とちょっと違う様な…。メモした文字が汚すぎて、判読不明です。

ご本人たちによるブログ

(追記 2014-02-15 21:15)

「はなっこりー」の表記を間違えていたので、修正しました。ご指摘ありがとうございます。

Posted by お市のかた