舞台「オンディーヌを求めて(東京公演)」を観てきました(ネタバレ感想編)

2012年11月6日マナカナ,文化・芸術,芸能・アイドル

本日も、ラフォーレミュージアム六本木で、舞台「オンディーヌを求めて」を観てきました。富良野GROUP×三倉茉奈・三倉佳奈です。大千秋楽で、全公演が終了していますので、思いっきりネタバレできます。

「オンディーヌを求めて」は、ジロドゥと言う劇作家の書いた「オンディーヌ」と言う舞台の主役「オンディーヌ」のオーディションに賭ける、二人の女優の争いです。

終わり方が3パターンあります。久米島愛が受かるか、谷村めぐみ(メグ)が受かるか、二人とも落ちるか。終わり方は、クライマックスの時まで、スタッフも、演じている茉奈さんも佳奈さんも知らされていないそうです。

あらすじは、次の通りです。物語の進行とは違いますが、時系列的にまとめてみました。3パターンある終わり方の話も、ミックスした内容にしています。また、私の補間も入っているので、実際のストーリーとは違います。

『オンディーヌ』の主役を決めるオーディションの最終選考会。最終選考会には、久米島愛、谷村めぐみ(メグ)、そして番号32番のもう一人の3人が残っていました。愛とメグは、劇団に、17歳の時に17期で入った、同期生同士です。愛は大阪から、メグは岩手から出てきました。二人とも、地方から出てきたと言う事で、共同生活をしています。愛は、ひた向きに演技の道を究めようとしています。メグは、天性の輝きを活かして、ある舞台の主役を得ます。ところがメグは、批評家からバッシングを受けます。落ち込んでいるメグを励まそうと、『茄子の呪い揚げ』を調理する愛。メグを励ましているはずが、メグの本当の姿を指摘したばかりに、愛も、『茄子の呪い揚げ』の対象になってしまいました。仲たがいをしてしまったのです。そんな事があっても、同居を続ける二人。ところが、愛が出て行ってしまう、決定的な事件が起きてしまいました。愛が二人組の男に暴行を受け、傷ついてしまいます。そんな愛をよそに、今を楽しんでいるメグが帰ってきます。メグが、愛の恋人を奪っていた事も、愛にバレ、愛とメグの関係の破局は、決定的な物となってしまいました。結局、愛は家を出て行き、ニューヨークで、芸の道を究める決心をしたのでした。

ニューヨークで愛は、厳しい生活をしています。レッスンを受けつつ、オーディションで役を勝ち取り、舞台に立ちます。ところが、舞台に立つだけでは生活できず、生活の為にヌードモデルをする事もありました。あまりの貧しさから、廃棄食料を目当てにコンビニに行く事もありました。それを見かねた劇団の先生が、愛を食事に誘います。先生が見かねたのは、食事の事ではありませんでした。愛を、アルコール依存症から立ち直させる事だったのです。でも、他の劇団員は、そんな愛を認めませんでした。先生から目をかけられた愛を、徹底的に無視したのです。

ある時、愛は、メグが『オンディーヌ』のオーディションを受ける事を知り、愛もオーディションを受ける為に、日本に帰ってきました。愛とメグは、8年ぶりに再開します。二人とも27歳になっていました。最終オーディションには、愛とメグと32番の娘が残っていました。最終的にオンディーヌ役が誰になるかは、携帯電話で知らされる事になっていました。

オーディションが終わって、二人はメグの家にやってきました。結果をメグの家で待ちます。その間、上記の愛に起こっていた事、それとメグの8年間の様子が知らされます。

メグは、数々の賞を受賞していましたが、演技は認められていません。見た目と話題性だけで、芸能界で生活しています。男性関係もうまく行きません。メグは、そんな生活に限界を感じていて、今回の『オンディーヌ』のオーディションを受ける決意をしたのでした。

そんな二人の間に、オーディションの結果が知らされました。

こんな感じです。

東京公演初回は、メグが受かるパターンでした。愛の携帯電話に落選のお知らせが来て、メグの携帯電話に合格の電話が来ました。これは私の推測ですが、メグが受かったのは、やはり日本での知名度、それと、オーディションで着た衣装のインパクトだったのだと思います。有名な人を主役に使うと言う、日本の芸能界の安易な流れを批評したのでしょうか?

メグは受かって嬉しかった物の、何年かしたら辞めちゃうみたいな発言をして、愛に切れられたと思います

2回目は、愛が受かるパターンでした。愛の携帯電話に当選のお知らせが来ます。メグが泣き崩れて終わりました。かなりあっさりした終わり方だったように記憶しています。私なりの理由の推測ですが、やはり、舞台は演技の実力が物を言うと、主張したかったのでしょうか?

千秋楽は、愛もメグも落選して、32番の娘が受かると言うパターンでした。愛は「予想通りだったでしょう。あの子は、私たちの持っていない○○を持っている。」みたいな事を言っていたと思います。その言葉の内容に感動したのですが、忘れてしまいました。私の記憶力、悪いな…。私なりの理由の推測ですが、32番の娘のこれからの可能性にかけて、選考メンバーが選んだのでしょうね。

私は、愛もメグも落選するパターンが一番面白かったし、好きでした。

「オンディーヌを求めて」は、面白かったのか? 私は、作品の世界に入って行けませんでした。集中して観てはいましたけれど、話の内容はわかりましたけれど、作品世界に付いて行けなかったです。私の度量が狭いのでしょうね、きっと。

メグが死のうとした事を脚本に入っていた事も、気に入らなかったです。自殺を脚本の中に入れて、話を盛り上げようとするのは、好きではありません。

感動したのは、愛もメグも落選した時のパターンの、愛の台詞だけだったな…。でも、その内容すら、覚えていません。必死に思い出そうとしているのですけれど…。

こんな批評を書くと、倉本さんは怒るんだろうな…。何も生み出していないのに、何を言うのかと…。

でも、そんな気持ちです。無視されるよりは、良いですよね?

昔、倉本聰さん脚本の、舞台「悲別」を観た時は、感動で涙が止まらなかったな。そんな感動を期待していたのが、失敗だったのかも。

三倉茉奈さんと、三倉佳奈さんの演技は、最高でした。

舞台役者に怪我をさせない為の取り組み、平手で打つ振りをして、打たれる方が演技すると言う話、首を絞めている振りをして、実は逆の動きをしていると言う話が面白かったです。へぇ〜と言う感じでした。

初回は下手側2列目、2回目は中央最後列、千秋楽は上手側3列目で観劇しました。観る角度が変わって、いろいろ細かい所まで観る事ができました。

やはり、舞台は3回以上観ないと、わかってきませんね。

2列目、3列目で観る事ができたのは、なかっちょさんのおかげでした。ありがとうございます。

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Posted by お市のかた