映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を観ました

2014年12月11日学問・資格,映画・テレビ・ラジオ,書籍・雑誌

かなり昔ですが、映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を観ました。下書きフォルダを整理してたら、出て来たので、公開します。

以下、決定的なネタバレがありますので、ご注意ください。

あらすじは、次の通りです。

弱小野球部の女子マネージャーを、親友の代理で引き受けた川島みなみ(前田敦子)。ちょっとした手違いで手に入れたピーター・ドラッカーの「マネジメント」。その本の教えに従って、野球部とその周りまでを改革し、野球部を甲子園に連れて行ってしまいました。

こう書くと、「あ、そ。」で終わってしまいますよね。

正直、この映画には、全く期待していませんでした。「人気の本だから、人気アイドルを使って、適当に映画化しちゃおう」程度の物だと思っていました。

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アマゾンのレビューを見ると、かなり評判が悪いですね。ですが、私としては、観て良かったです。私は単純だから、これ位わかり易い映画が好きです。娯楽には、ちょうど良いです。

映画を観る前の疑問その1。「なぜ、ドラッカーの『マネジメント』を読んだのか?」

マネージャーになりたくて、本屋でマネージャーになる本を探していたら、たまたま来ていたマネージャー(会社の管理職)向けの、『マネジメント』を勧められたんですね。

ちょっと、わざとらしいのですけれど、本屋の店員役の石塚さんが良い感じで本を買わせる事に成功しています。これが無いと、話が続きませんからね。重要です。

映画を観る前の疑問その2。「なぜ、そのまま『マネジメント』を実践したのか?」

勘違いして買っちゃった、みなみでしたが、さすがに本を読み進めると、経営学の本だとわかります。また本屋に行くのですが、店員の説明を聞くと、非営利の組織にも「マネジメント」は有効だと教わります。

その説明の仕方が、ちょっとマンガチックな演出で、「なんだこれ?」と思ったのですが、前半の軽い感じの導入としては、良かったと思います。

映画を観る前の疑問その3。「どういうふうに、『マネジメント』を実践して行くのか?」

ドラッカーが説いている、「真摯さ」、「組織の定義」、「顧客は誰?」、「Innovation」などの理論が、うまく野球部の経営(マネジメント)に適用されて行きます。

そうか、マネージャーには才能は必要なく、「真摯さ」が求められるのか。これは、覚えておかなければなりません。

『組織の定義」として、「野球部とは何か」と言う事に悩みます。そして、「顧客は誰?」と。みなみは、野球部の顧客は野球部に関わる人全員、そして野球部の役割は、その顧客に感動を与える事だと理解します。

「Innovation」(改革)は良く聞く言葉ですけれど、実践は難しいですよね。ここは、監督(大泉洋)の出番です。野球に取って、古くて捨てるべき物は、送りバント、ボール球と言う事で、「ノーバント、ノーボール」を戦術として推進します。

改革は、野球部だけにとどまらず、それに関わる陸上部、調理部、吹奏楽部、チアリーダー部にまで拡がって行きます。本物の改革ですね。

みなみが、ドラッカーの理論を身につけて行く過程で、人形だったはずのドラッカーがみなみの後を着いて行くシーンがあります。ちょっとマンガチックでしたが、説明としてはわかり易いと思います。

映画を観る前の疑問その4。「見所は?」

原作本の表紙が、萌えキャラでなんだかつまらない本と言う印象を持っていました。この映画と原作の関係がどうなっているかわかりませんが、うまく「マネジメント」と高校野球を通した青春物語を融合させた物だと思います。

みなみの親友が、野球部のマネージャーになろうと思ったきっかけは、小学校の時の野球でみなみからもらった感動をもう一度味わいたいと言う事でした。そのみなみのプレーは、最終バッターとして勝負する時、初球をわざと空振りして相手を油断させ、2球目でヒットを打ち、チームを勝利に導くと言う物でした。

この話を聞いていた、ちょっと下手くそなショート君は、決勝戦の最終バッターで、まんまとそれを成功させてしまいます。

あぁ、ここで話がつながるのか…。と思いました。伏線を張っておいて、クライマックスに持って来ると言うのは、映画を作る時の常套手段だとは思うのですが、素直に感動しました。

映画を観た後で得た物。

みなみの親友は、不治の病で、決勝戦の当日に亡くなってしまいます。「甲子園に行けたら、死なない」とか、そんな現実離れした事は無くて、本当に死んでしまいます。お手軽な、お涙頂戴ではなく、必然的に亡くなったと感じました。

親友の死を前にして、みなみは、決勝戦から逃げようとします。でも、友達に支えられ、そしてみなみ自身が学んで来た事に裏打ちされ、逃げませんでした。逃げなかったおかげで、甲子園出場をかけた決勝戦に逆転勝利する事ができました。

そうだよなぁ、逃げちゃダメだよな。碇シンジも逃げなかった。

逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。

すみません、ヱヴァンゲリオンのネタが入っちゃいました。

逃げちゃダメって言うか、あきらめたらダメなんだろうな。最後の一歩まで、全力を尽くす。それができなかったら、失敗した時に、後悔します。一所懸命やった上での失敗だったら、自分を納得させられます。

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原作の評判も悪いですね。オリジナルを読むべきなのでしょう。私は、どちらも読んだ事がありません。

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Posted by お市のかた