FMシアター「紫のチューリップ」を聞きました〜脱出[追記あり]

2014年6月24日マナカナ,日記・コラム・つぶやき,映画・テレビ・ラジオ

三倉茉奈さんが出演されたラジオドラマ「紫のチューリップ」を聞きました。

番組のウェブページは次の所ですが、いつまで保存されているかは不明です。

出演者など

2014年6月21日(土)22:00-22:50、NHK-FMで放送。NHK大阪局制作。敬称略。

出演者

武井亜矢: 三倉茉奈
武井喜久子: 烏丸せつこ
武井真矢: 大路恵美(おおじめぐみ)
大島清: 宇仁菅真(うみすがまこと)
福本和夫: 木内義一
石丸: むかいさとこ
(?): 橋田雄一郎
武井亜矢(子ども時代): 安養寺可蓮

脚本他

脚本: 鶉野昭彦
音楽: 小林洋平
演出: 小島史敬
技術: 武井友香
音響効果: 栗野将基

あらすじ

武井亜矢をかわいがってくれていた父親の裕之が十七年前…
_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄
死因: [交通事故]

紫のチューリップを買って花屋から帰る途中の裕之は、亜矢に「紫のチューリップはな…」と謎の言葉を遺していました。

その後、母親の喜久子は、女手一人で亜矢(29歳、独身))と姉の真矢(35歳、独身)を育てて来ました。喜久子は夫を突然亡くした複雑な想いから、男に身を任せると言う過ちを犯してしまいました。偶然その現場を見てしまった亜矢はそれがトラウマになり、極度に男性を避ける様になりました。中三の夏の事でした。

亜矢は美人ですが、男嫌いで有名で、社内の男は誰も声をかけてきません。たまたま一緒に仕事をする様になった先輩社員の福本和夫は、亜矢の事を気にかけて、話しかけてきますが、亜矢は相手にしません。

そんなある日、喜久子から大島清(喜久子の15歳年下)と言う男性を紹介されます。喜久子は大島と結婚したいと思っていると。トラウマのある亜矢は、当然反対します。

福本は、東京に転勤が決まり、送別会が開かれていました。送別会の席で、亜矢は同僚の女性石丸に無理矢理福本と席を一緒にされます。当然亜矢は拒み続けるのですが、そこに一本の電話が。真矢からでした。喜久子が突然倒れ、救急車で病院に向かっていると。でも、亜矢はトラウマのため、喜久子の所に行くつもりはありません。亜矢の母親が倒れたと聞いた福本は、亜矢を平手打ちして、亜矢を病院に向かわせます。「アホ! たった一人の親に、もう会われへん様になるかもしれんやで!」と。

喜久子は、脳梗塞でした。意識を取り戻し、奇跡的に後遺症も残りませんでした。病室で喜久子の話を聞く、亜矢と真矢。二人とも知らなかった、裕之と喜久子の過去を聞かされます。

裕之の祥月命日には、亜矢はいつもお墓参りに来ます。偶然、先にお墓を掃除していた大島を見つけます。裕之はお墓に向かって、何か話しかけている様でした。亜矢が何を話しかけていたかを聞くと、裕之が喜久子に紫のチューリップをプレゼントしていた事などだそうです。そんな話の流れで、亜矢は「紫のチューリップ」の花言葉を大島から聞きます。それは「不滅の愛。永遠に君だけを愛している。」でした。裕之も喜久子も、お互い愛し合っていたのです。その気持ちは今でも変わらない事を知っている大島でしたが、それでも喜久子と一緒にいたいと。

亜矢は、喜久子の本当の気持ち、大島の本当の愛を知り、喜久子と大島の事を赦す事にしたのでした。

そして、亜矢自身も、自分を縛り付けていた悪夢から解放しました。

最初の部分を聞き逃してしまったので、けいさんに教えていただきました。ありがとうございます。

感想(ドラマ編)

聞き応えのあるドラマでした。50分間、集中して聞いていました。

ラジオドラマって、映像が無い分、自分で情景を思い描きながら、その世界に入り込む事ができるのですよ。その点は小説も一緒ですが、ラジオドラマの場合、役者さんの演技で感情の起伏情報が与えられます。それに沿って、感情移入すれば良いのです。

亜矢は何故男嫌いになってしまったんだろう? 「紫のチューリップ」の意味は? 亜矢と福本との関係はどうなる? とか、色々想像しながら聞いていました。聞く人を飽きさせない、非常に良くできた脚本だったと思います。

ちゃんと、「紫のチューリップ」の意味がストーリーの幹となり、希望に満ちたエンディングで良かったです。

亜矢のトラウマの原因が、もっとえぐい事だと嫌だなぁと思っていましたが、純粋な亜矢にとっては十分にえぐい事だったのでしょう。テレビドラマだと、安易に映像を作れちゃうから、かえって興ざめしちゃう。そういう意味でも、自分で情景を設定できるラジオドラマは良いですね。

感想(分析編)

以下、ちょっと分析っぽい感想になってしまいますが…。

裕之が亡くなったのが17年前と言う事は、亜矢は12歳か。12歳だったら、もっと父親の悪い所も見ていたと思うんだけどな。ドラマを聞いている時は、最初の部分を聞き逃してしまったのと、そういう計算ができなくて、亜矢が5歳くらいの頃に裕之が亡くなった物だと思っていました。

12歳→15歳の三年間で、喜久子は悩み、過ちを犯してしまったと。そしてそれがきっかけで、17年間も亜矢を苦しめて来たと。

そんな苦しみの中、亜矢は男嫌いにはなってしまった物の、それ以外はまっすぐに育って来たのですね。裕之は、ろくでなしだった様ですが、亜矢を育てる事に関しては、一流だった訳ですね。子育てに、一流も二流も無いのですけれど、亜矢には悪い面を見せずに、純粋にかわいがっていたと言う事でしょう。

姉の真矢は、自由奔放に生きて来たと言う事ですから、裕之の現実を知っていたのでしょうね。裕之が亡くなった時は18歳ですから、喜久子からも色々聞かされていたのでしょう。

う〜ん、そうすると、喜久子は真矢には色々話せた訳だから、悩みも半分になっていたのでは? でも、病室で聞かされるまでは、喜久子の本当の気持ちを知らなかった様なので、すべてを知っていた訳ではないのか。

話の展開の仕方とか、設定とか、非常に良くできた脚本でしたが、裕之が亡くなった時期の設定(17年前)が甘かったのか? 私の聞き込みが足りなくて、理解しきれていない所があるのか?

裕之が亡くなったのが、24年前だったら、簡単につじつまが合うのにな。亜矢は5歳で、真矢も11歳だから、喜久子が一人で背負って来たと納得しやすいです。裕之が亡くなったのが真矢が18歳の時なら、やっぱり、喜久子が真矢に悩みの相談をすると思うんだけどな…。

真矢に悩みの相談をするってことは、裕之の悪い所を、真矢に話す事になってしまい、真矢にも嫌な想いをさせてしまう事、あるいは真矢に取って父親の良い想い出を壊してしまう事になるのを、喜久子は嫌ったんですね。多分。

役者さんは、ドラマの収録の前に、台本を読み込んで、この様な背景を役の中に叩き込むのでしょうね。

感想(役者編)

主人公の亜矢役の、三倉茉奈さん、上手でした。茉奈さん出演のラジオドラマを何度も聞いてきましたが、毎回上手になっている様な気がします。声だけの演技で、ここまで聞く人の感情を動かせるとは!

茉奈さんや佳奈さんは、テレビにも出演されていますが、私は結構見逃したり、録画しっぱなしで見ない事が多いんです、最近。でも、ラジオドラマは別ですね。すごく楽しみです。入って来る情報が少ない分だけ、自分で補うってところが面白いのかな。私は、本はほとんど読まないのです。面倒なのと時間が取れないのとで。でも、ラジオドラマだと、強制して集中して聞く必要があるので、私の性格に合っているのかもしれません。

あー、そうだ。次の所から、感想を入れておこうっと。次のラジオドラマも聞きたいから。

(追記 2014-06-23 01:45)

NHKに、次のドラマでも三倉茉奈さんを起用してくれる様に、お願いをしました。

(追記 2014-06-24 00:04)

出演者の方のブログ。

大島清役の宇仁菅真さんって、ストレッチマンだったのですね…。武井亜矢にストレッチパワーを与えるなんて、さすが!

それと、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、あらすじの冒頭はネタです。次のゲームを参照しています。

Posted by お市のかた