映画「Start Line」を観て来ました(4回目、5回目)

2016年10月8日スポーツ,映画・テレビ・ラジオ

映画について

あらすじ

生まれつき耳の聞こえない今村彩子は、聞こえる人とのコミニュケーションが苦手。彼女の祖父と母の立て続けの死が、彼女を打ちのめします。そんな中、偶然触れたスポーツバイク。自転車で風を感じ、自転車で日本を縦断して、コミュニケーションがテーマのドキュメンタリーを撮ろうと決意します。

伴走者と一緒に沖縄からスタートした物の、あいつぐトラブル。体力低下とコミュニケーショントラブルによるストレスに打ちのめされます。苦しみながらも到達した北海道での奇跡の出会い。そして、ゴールの宗谷岬まで1km。ゴールに待ち受ける物は…。

ストーリーと大まかな事柄は以前の鑑賞で掴んでいます。今回は、メモを取りながらの鑑賞でした。

着目点1

一番着目したのは、今村さんの表情の変化です。出発前は期待にあふれた表情なのですが、走り続けて、その疲れから無表情になったり、悲しみや苦しみを丸出しにしたり。もちろん、楽しい日もあります。よく、最後まで走りきったものです。

沖縄へ出発する前の名古屋空港は、これからの事を全く予測していない安心しきった顔です。沖縄へ到着した日も楽しそうです。それが、鹿児島行きのフェリーの中ですでに不安な表情です。広島では消耗しきって無表情です。愛媛、大阪で、ろう者に会った時は本当に楽しそうです。

笑ったり、泣いたり。そんな今村さんの表情の変化も見所です。

着目点2

今村さんのダメな所にも着目しています。勘違いをしないでくださいね。今村さんをdisっているのではなく、なぜ今回の日本縦断が今村さんを追い詰め、新たな出発点にたどり着けたかを確認するためです。(?)マークは私の思い込みかもしれません。

  • 自転車が初心者
  • コミュニケーションが下手
  • 方向音痴
  • 視野が狭い(周りが見えていない)
  • 段取りの悪さ
  • 日本縦断までの準備時間の不足
  • 雑な性格
  • 地図を見るのが下手
  • 計画を立てるのが下手
  • 余裕を持った行動が出来ない
  • 遠慮してしまう事がある
  • 機械音痴
  • 思い込みが激しい
  • 自分の想像だけで進めてしまう
  • 荷造りが下手
  • 判断が遅い
  • プライドが高い(?)
  • カッコ悪い事をしたくない(?)

ダメな所、たくさんありますね。でも、当たり前なんです。誰にだって、得手不得手あります。今村さんは、これらのダメな所をガッツでカバーして乗り切りました。たとえ、どんなに辛くても、最後までやり通した今村さんはさすがです。色々、欠点があるから、それを直せるし、成長出来ます。何が欠点で、どうやって直していくか? 普遍的な課題です。

見ていると、毎日走る事だけが精一杯で、他に余裕が無いと言う感じです。数日間で良いので、事前練習ができていれば、だいぶ違っていたのではと思います。

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「周りが見えていない」と書きましたが、大好きなスイカ、桃を見つける能力は高いようです! (笑)

堀田さんについて

伴走者であり、普段は自転車屋さんに勤めている堀田さんは、今村さんが交通ルールを破ったり、人として間違っている事に対して、今村さんを厳しく責めます。容赦ないです。そこまで言わなくても…と言う気がしますが、今村さんを思っての事なのです。

堀田さんの「何もできないかどうか、あなた、知らないでしょ? 何も出来ないと思い込んでいるだけでしょ!」と言う厳しい言葉、胸に刺さります。これは、誰にでも思い当たる節があるのではないでしょうか? やる前から諦めちゃっている事がないですか? 他の人が必要かどうかは、相手に聞いてみないとわかりません。その一言を出すかどうかで、人間の真価が問われます。

厳しい堀田さんですが、今村さんの自転車のトラブルに関しては優しいんです。旅のルールで、パンクなどの簡単な自転車のトラブルは助けない事になっています。たしかに、助けていません。今村さんは、自転車のトラブルに慣れていない訳で、時間がかかったり、下手だったりします。その事に関しては、堀田さんは文句を言いません。温かく見守っています。「本当は優しい人」を伺わせます。

印象に残ったシーン

一番印象に残っているのは、今村さんが堀田さんに「口じゃありません。手話です。」って子どもみたいな論理で口答えして、堀田さんが切れちゃうシーンですね。その時のカメラからの映像と言葉。衝撃的です。

北海道に入っての様子を、おそらく札幌のホテルの会話を使って回想しているシーンも好きです。穏やかに、今村さんと堀田さんが話しています。今村さんが、今までできていなかった事が何かを理解するシーンです。

そして、手塩で故障車に声かけするウィルにつながる一連のシーンです。この時のBGMも良いです。

ライダーハウスでの合唱は、別格ですね。あれは、反則だべ。

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おまけ

1日の走行の後の、お楽しみの晩酌コーナーの回数を数えてみました。映画の中には12回位、出て来てたと思います。楽しい飲み会だったり、苦しい飲み会だったり。楽しい晩酌にならず、新たなトラブルの元になったりします。それでもお酒はやめられない? (笑)

それと、ウィルの言葉の字幕が間違えているのでは? と言う所がありました。滝川の道の駅で、ウィルが「今日? 富良野から(旭川から)? Today?」の「Today?」の部分が「じゃない?」になっていました。発音・意味的に、「トゥデイ?」だと思うのですが。映画の進行には特に問題の無い箇所です。

次は舞台挨拶です。長いので、ページ分割しました。

Posted by お市のかた