5. 保証期間終了後〜静止した闇の中で〜

2016年4月23日

保証期間が切れてしまったMacbook Pro 15 (Early 2011)ですが、もしかしたら、自力修理できるかもしれないと言う可能性を見つけました。ロジックボード(GPU)を加熱すれば、直ると言う情報です。

まず、GPUが故障したロジックボードをオーブンで焼くと言う、画期的な方法を知ったのは、次の記事です。ありがとうございます。

そもそも、Macbook Pro 17 (Early 2008)で発見された方法の様です。You are great!

オーブンでロジックボード全体を焼く(加熱する)のではなく、原因となっているGPUのみをヒートガンで暖めると言う方法をとっている方もいます。この方のアルミホイルのくりぬき方を参考にさせていただきました。Thank you!

そもそも、ロジックボード、それもGPUを暖めると、何故、故障が直るかですが、GPUとロジックボードを接続している半田ボールにヒビなどが入り(半田クラック)、接触不良となる為の様です。半田を加熱して溶かし、接触不良を取り除く事で、修理しています。

GPUが半田クラックを起こしやすい理由は、次の記事に非常にわかりやすく説明されています。ありがとうございます。

半田ごてではなく、基板全体を暖めて半田付けする方法は、半田リフローと呼ばれています。半田リフローの時間・温度条件は、半導体メーカ毎に決められています。

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今回の対象がGPUですので、私は、GPUを作っているAMDの資料を参考にしています。

AMDのリフロー条件

From AMD 780E Databook (PDF) Page 5-12

ですが、この様な温度変化をさせるのは難しいです。そもそも、リフローは工業設備で、アマチュアが手を出せる物ではありません。代わりに、オーブントースターやホットプレートが使われる様です。次の方は、ホットプレートをArduinoで自動制御して、温度変化(プロファイル)を作っています。また、オーブントースターよりもホットプレートの方が扱いやすい理由に付いても書かれています。大変参考になりました。ありがとうございます。

「半田リフロー ホットプレート」で検索すると、色々あると思いますので、参考にして下さい。

他、リフローで発生する問題の記事も読みました。

ここまでが基礎学習です。ここまで読んで、内容がわからなかったり、怖いと思われた方は、ご自身では手を出さない方が良いです。成功するとも限りませんし。

また、ヘアドライヤーでGPUを温めて見たと言う記事も見かけたのですが、意味が無いと思います。1000Wのヘアドライヤーの吹き出し口の温度を測定した所、90度程度しかありませんでした。この温度では、半田を溶かす事はできませんので。

目次

  1. Macbook Pro 15 (Early 2011)が抱える問題〜死に至る病、そして〜
  2. GPU故障〜使徒、襲来〜
  3. Windowsへの影響〜Windows8.1、誕生〜
  4. Appleの対応〜嘘と沈黙〜
  5. 保証期間終了後〜静止した闇の中で〜
  6. 調理レシピ〜マグマダイバー〜
  7. 調理レビュー〜奇跡の価値は〜

なお、この記事は、私の体験に基づいた物で、やり方を推奨する訳ではありません。実行される時はご自身のご判断でお願いします。

Posted by お市のかた