ワーキングプアⅢ 〜解決への道〜

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NHKスペシャル「ワーキングプアIII 〜解決への道〜」を見ました。そして、昨年書いた記事、ワーキングプアワーキングプアII 誰にでも起こりえるを読み返してみました。

この一年で、社会はどう変わったのでしょうか? 政府は? 企業は? いったいどういう対策をとってきたのでしょうか?

たぶん、何も変わっていないか、むしろ悪くなっているのでしょうね…。生活に必要な物価が上がってきていますし、ますます暮らしにくくなってきているのではないでしょうか?

見てわかった事を、とりあえず、列挙してみます。

  • 韓国では、ワーキングプアの事を、「勤労貧困層」と呼ぶのですね。こちらの方がわかりやすいです。
  • 韓国では、「勤労貧困層」を作らないための法律を作ったようですが、逆に失業者を増やしてしまうと言う皮肉な結果に終わりました。
  • 日本は、貧困者層の割合が、一位のアメリカに次いで多いようです(先進国の中で)。
  • アメリカでは、IT関連企業で働いていた技術者ですら、ワーキングプアに陥っています。
  • 利益優先の市場経済のゆがみは、社会の下層へ、下層へと押しやられています。その結果、ワーキングプアを生み出しています。市場経済の失敗だと述べられていました。
  • アメリカのノースカロライナ州では、バイオテクノロジーの企業を誘致し、更にその企業へ就職しやすい様に教育プログラムを充実させると言う方法をとっていました。バイオテクノロジーを選んだ理由は、この技術分野が国によって手厚く保護されており、簡単に海外からの流入される事を防げるからだそうです。
  • イギリスでは、「社会的企業」と言う仕組みを作り、若者を支援しています。この仕組みにはお金がかかりますが、若者を放っておいて、将来、より多くの社会的負担を強いられる事を防ぐために必要な措置だと述べられていました。
  • 釧路では、現在ある制度をうまく使って、ワーキングプアの人々を救う施策をとっていました。生活保護を"1"/"0"で切り分けるのではなく、段階的に救済する方法です。

今回は、「解決への道」と題されていましたが、解決策その物の紹介はされませんでした。

結局、ワーキングプアは、自助努力は必要だけれども、決してそれだけでは解決しないと言う事です。「自己責任で何とかしろ!!」とは言えた物ではありません。社会的に解決して行かなければならないと伝えられていました。前々回、前回の放送内容と同じく、国、企業はワーキングプアの対策にしっかりと取り組んで行かなければならないだろと、示されていました。市場経済に任せておくだけでは、決して解決しないと断言されています。

ワーキングプアは、今だけの問題ではないのです。これからの世代が希望を持って生きられる社会にして行かなければならないのです。

…と、結論付けてしまいましたが、自分が今何をすれば良いのか、全くわかりません。自己防衛(体を壊さない様に気をつける、貯蓄をする)しかないのかなぁ…。これは、自分に限った事であって、社会問題の解決にはならないし…。

Posted by お市のかた